ディースクエアード(Dsquared2)、スタッフ インターナショナルのライセンス契約を即時解消ー契約違反で訴訟に発展

Dsquared2

3月29日(現地時間)、カナダ出身の双子デザイナー、ディーン・ケイテン(Dean Caten)とダン・ケイテン(Dan Caten)が率いるファッションブランド「ディースクエアード(Dsquared2)」が、長年にわたるパートナーシップに終止符を打った。製造と流通を担ってきた「スタッフ インターナショナル(Staff International)」とのライセンス契約を、2027年の満了を待たずに即時解消するという、衝撃の決定だ。

この契約終了について、ブランドは「ディースクエアードグループはスタッフ インターナショナルとのライセンス契約の即時終了を発表します。これにより、同グループはレディ・トゥ・ウェアコレクションの生産と流通を直接管理します」と明言。

この変更は2026年春夏のプレ・コレクションから適用される見通しであり、同ブランドは今後、独自の生産・販売体制に移行する。

一方で、この動きに対してスタッフ インターナショナル側は強く反発。契約終了発表からわずか6時間後、同社はミラノ裁判所に提訴を行い、契約の履行を求める法的措置に出た。訴訟の対象は、グループの持株会社である「グラスコー・ホールディングス・リミテッド(Grascoe Holdings Limited)」、商標管理会社「ディースクエアード・トレードマークス・リミテッド(Dsquared2 Trademarks Limited)」、およびディーン・ケイテンとダン・ケイテンの両名である。

スタッフ インターナショナルは声明で次のように強い姿勢を示している。

「スタッフ インターナショナルは、当該ライセンス契約が完全に有効であり、その自然満了まで全面的に履行する意志があることを再確認します。したがって、契約関係の早期終了の可能性を完全に否定し、法的にその根拠が存在しないと考えます。」

さらに、「スタッフ インターナショナルは、最大限の透明性と決意を持って、自社の権利を保護し、契約上の義務を果たし、自社の評判を守るために行動を続けます。さらに必要な措置を講じる権利を留保します」と続け、法廷で徹底抗戦する構えを見せている。

両社の提携は2002年に始まり、ディースクエアードがグローバルなランウェイブランドとして躍進する礎となった。スタッフ インターナショナルは長年にわたり、ディースクエアードの製品開発から生産、オムニチャネル流通までを一貫して行ってきた。同社は、イタリアのファッション界を代表するビジネスパーソン、レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)が率いるOTBグループの中核的存在であり、その他にも、メゾン マルジェラ(Maison Margiela)やマルニ(Marni)、ジル サンダー(Jil Sander)、ディーゼル(Diesel)などの製品製造を担っている。

なお、30周年を迎えたディースクエアードは、今年2月に開催されたミラノ ファッションウィークで、壮大な演出と共に圧巻のアニバーサリーショーを開催したばかり。今回のライセンス契約の終了は、ブランドにとって新たな独立体制への一歩であると同時に、ファッションビジネスの構造変化を象徴する重要な出来事になるだろう。

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