ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)、ロンドンに初の旗艦店をオープン

Dries Van Noten

4月10日(現地時間)、ベルギー発のラグジュアリーブランド、ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)が、ロンドンに初となる単独旗艦店をオープンした。場所はメイフェア地区のハノーバー・スクエア(Hanover Square)で、ボンド・ストリートやスローン・ストリートのような王道ショッピングエリアからは一歩引いた、静かな立地にある。

店舗が入居するのは、かつて銀行として使われ、さらに18世紀にはシャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール(Charles Maurice de Talleyrand-Périgord)のロンドン邸宅でもあった歴史的建物。総面積270㎡の空間は、同ブランドのウィメンズウェア、メンズウェア、アクセサリーに加え、フレグランスやビューティーアイテムまで幅広く展開する。

店内は地上階と地下階の2フロア構成。上階はウィメンズ、地下はメンズに焦点を当てた構成となっており、空間全体には数々のアートやヴィンテージ家具が散りばめられており、まるでギャラリーを巡るかのような体験ができる設計だ。

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アート作品の中には、デヴィッド・ホックニー(David Hockney)による1979年のリトグラフ《Celia Weary》と《Celia – Elegant》、マン・レイ(Man Ray)のエッチング《La Main Bleue》(1971年)、トレイシー・エミン(Tracey Emin)の刺繍作品《Be Faithful to Your Dreams》(1999年)などが含まれる。家具類ではロン・アラッド(Ron Arad)の《Rover P6》チェアや、ジュール&アンドレ・ルルー(Jules and André Leleu)によるデスク、中国のアンティーク衝立などが並ぶ。

さらに、ヴィンテージと現代の音楽が融合する「ビニール コーナー(Vinyl Corner)」と名付けられたレコードセクションでは、ブランドが過去のランウェイショーで培ってきた音楽との結びつきが体現されている。

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今回の出店は、創業者のドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)が2024年にブランドを離れたことを受け、新クリエイティブディレクターであるジュリアン・クラウスナー(Julian Klausner)が牽引する新章の一環でもある。クラウスナーは、メゾン マルジェラ(Maison Margiela)でキャリアをスタートし、2018年からドリス ヴァン ノッテンに参加。長年にわたりヴァン・ノッテン本人と共にブランドのビジョンを構築してきた人物だ。

なお、ビューティーラインについては、現在もドリス・ヴァン・ノッテン本人がディレクションを担当しており、ベルギーのリエール郊外にある彼の55エーカーの庭園からインスピレーションを得ているという。

こうしたファッションやアート、音楽、香りといった多様な表現が融合する新たな旗艦店は、ブランドの美学をロンドンの中心地から発信する拠点となっていくだろう。

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Courtesy of Dries Van Noten

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