4月15日(現地時間)、ジャン=ポール ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)が、新たな常任クリエイティブディレクターとしてデュラン・ランティンク(Duran Lantink)を迎えることを発表した。創業者ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)の退任以降、約5年間にわたりゲストデザイナー制を採用してきた同ブランドにとって、常任体制への回帰は大きな転機となる。
オランダ出身のランティンクは、過去にジャネール・モネイ(Janelle Monáe)のためにデザインした“ヴァギナパンツ”で注目を浴び、2023年にはアンダム・スペシャル・プライズ(ANDAM Special Prize)、2024年にはLVMHカール・ラガーフェルド賞(Karl Lagerfeld Prize)を受賞。2025年にはウールマーク・プライズ(Woolmark Prize)も受賞しており、実力と注目度を兼ね備えたデザイナーである。
ランティンクによる最初のプレタポルテ・コレクションは、2025年9月のパリ ファッションウィークで発表される予定であり、ブランドとしては約10年ぶりのRTWショーとなる。続くオートクチュール・コレクションは2026年1月に披露される見込みだ。
ゴルチエ本人はこの任命に際し、次のようにコメントしている。
「私は彼の中に、自分がキャリアを始めた頃に持っていたエネルギー、大胆さ、そしてファッションを通じた遊び心がある。“ファッション界の新たなアンファン・テリブル”だ。ようこそ、デュラン」
また、ランティンクは今回の就任を受けて、自身のインスタグラムで以下のように喜びを伝えた。
「この写真は、私が11歳のときに地元でアイススケートをしているところを撮ったもの。当時初めて手に入れた @jeanpaulgaultier の服を着ていて、夢中になっていた。でもまさか、自分がいつかこのメゾンを率いることになるなんて、想像もしていなかった。
ジャン=ポール・ゴルチエの常任クリエイティブ・ディレクターという大きな役割を任せていただけることに、感謝と誇り、そしてこの上ない幸運を感じています。最初から私たちのチームを信じて支えてくれた皆さん、本当にありがとう。皆さんの応援が、すべての支えになってきました。
そして、この大きなチャンスを与えてくださったJPGファミリーに、心から感謝を。
この新たな章を迎えることに、ワクワクしています。さあ、ここからが始まりです。」
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なお、ランティンクは今回の就任にあたり、自身の名を冠したブランドを一時的に休止することを明らかにした。これは、プレタポルテだけでなくオートクチュールも手掛けるという重責を受け、ジャン=ポール・ゴルチエ氏の築いてきたクチュールの伝統に敬意を払いながら、アトリエの優れた職人たちの技術に真摯に向き合う時間を確保するための決断である。
ジャン=ポール ゴルチエは2014年にプレタポルテ事業を停止して以降、オートクチュールのみに注力していた。2020年の創業者引退後は、阿部千登勢(Chitose Abe)、グレン・マーティンス(Glenn Martens)やオリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)、シモーン・ロシャ(Simone Rocha)、リュドヴィック・ド・サン・セルナン(Ludovic de Saint Sernin)を起用し、ゲストデザイナーによるシーズンごとのクチュール展開を続けていた。また2024年6月に行われたオートクチュール・ショーでは、2024年秋冬コレクションのゲスト・クチュリエに、ニコラ・ディ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)を指名。その他、ロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)やシェイン・オリヴァー(Shayne Oliver)との協業によるカプセルコレクションも発表してきた。
また、現在のRTWビジネスでは、マイテレサ(Mytheresa)、サックス(Saks)、ノードストローム(Nordstrom)といった主要小売店や自社オンラインストアを通じて展開されており、約100の卸先を持つまでに再構築されている。
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