ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)、アヴィニョンの世界遺産で2026年クルーズショーを開催へ

Louis Vuitton 2026 Cruise

4月18日(現地時間)、ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)は、2026年クルーズショーをフランスのアヴィニョンの歴史的建造物「法王庁宮殿(Palais des Papes)」にて開催すると発表した。開催日は2025年5月22日。同ブランドのウィメンズ・アーティスティックディレクターであるニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)が手がける最新コレクションが、ユネスコ世界遺産に指定されるこの壮麗なゴシック建築で初めて披露されることとなる。

法王庁宮殿は、かつてローマ・カトリック教会の権力が一時的にアヴィニョンへと移された14世紀、教皇ベネディクトゥス12世(Benedict XII)とクレメンス6世(Clement VI)のもとで築かれた歴史の舞台である。1335年に始まった建設は20年足らずで完成し、ローヌ川を見下ろすアヴィニョンの高台に、圧倒的な存在感をもってそびえ立った。

総面積約15,000平方メートル、25室以上の空間を擁するこのゴシック様式の複合施設は、まさに“石でできた教皇の要塞”。内部には14世紀のフレスコ画や繊細な石彫が今もなお息づき、栄華を極めた教皇庁時代の気配を色濃く残している。その荘厳な空間は、宗教と政治、芸術が交差した中世の叙事詩そのものだ。

ルイ ヴィトンは、クルーズ・ショーを通じて建築的・文化的価値の高い会場を舞台に選び続けており、今回もその伝統を踏襲するかたちだ。ジェスキエールはこれまでにも、スペイン・バルセロナの「グエル公園(Park Güell)」や、イタリアのマッジョーレ湖に浮かぶ「イゾラ・ベッラ(Isola Bella)」といった、歴史とアートが融合する場所でショーを行ってきた。

加えて今回、ルイ ヴィトンはアヴィニョン市内の文化的景観を守るため、長期的な照明プロジェクトへの資金提供も行う。ライトアップの対象には、法王庁宮殿をはじめ、アヴィニョン大聖堂、プティ・パレ、オテル・デ・モネ、オテル・カルヴェ・ド・ラ・パランが含まれる。建築美と安全性の両立を目指すこの取り組みは、地域社会への文化貢献の一環として評価されるものだ。

なお、今回発表される2026年クルーズ・コレクションは、2025年11月より世界各国のルイ ヴィトンのブティックにて発売予定である。

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