ロレアル(L’Oreal)、前年比+3.5%成長─ 香水とヘアケアが業績を後押し

L'Oreal

4月17日(現地時間)、ロレアル(L’Oréal)は2025年度第1四半期の決算を発表した。同社の売上高は117億3000万ユーロに達し、前年同期比で4.4%の増収、為替や構造の影響を除いた実質成長率は3.5%を記録。世界経済の不透明感や地政学的リスクが続く中においても、特に欧州と新興市場が力強い成長を見せ、グループ全体の業績を大きく押し上げた。

また、売上成長には、2024年から続くITシステム刷新に伴うフェーズ効果も影響しており、100百万ユーロの前倒し恩恵があったとされる。

欧州と新興市場が成長をリード

地域別では、SAPMENA-SSA(南アジア太平洋・中東・北アフリカ・サブサハラアフリカ)地域が実質成長率+10.4%、北アジア(主に中国、日本、韓国)が+6.9%、欧州が+4.3%と、いずれも堅調な伸びを示した。

一方、北米市場では−3.8%と減収となったが、これは前年のIT関連施策による比較の難しさや、メイクアップ市場の低迷が影響したものとみられる。調整後の実質成長率は+0.5%にとどまった。

フレグランスとヘアケアが成長カテゴリー

部門別では、「ロレアル ラグジュアリー(L’Oréal Luxe)」が実質+5.8%と高い伸びを記録。フレグランス分野では、イヴ サンローラン(Yves Saint Laurent)の「リブレ(Libre)」や「MYSLF」、ヴァレンティノ(Valentino)の「ボーン・イン・ローマ(Born in Roma)」、プラダ(Prada)の「パラドックス(Paradoxe)」などが好調で、市場全体を上回る成長を見せた。

また、ケラスターゼ(Kérastase)の新商品「グロス・アブソリュ(Gloss Absolu)」をはじめ、プレミアムヘアケアカテゴリーでも躍進が続いている。プロフェッショナル製品部門も欧州や中国、ブラジルなどで二桁成長を記録した。

同社の最高経営責任者(CEO)であるニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)は、決算発表に際し次のようにコメントしている。

「非常に不確実で変動の大きい経済環境のなか、ロレアルは2025年を計画通りの成長でスタートすることができました。嬉しい驚きもあれば、そうでない驚きもありました。米国市場は予想以上に厳しい状況でしたが、中国市場はやや期待を上回る結果となりました。ヨーロッパは引き続き最大の成長貢献地域であり、新興市場も引き続き活発な動きを見せています。」

イエロニムスはまた、関税引き上げの影響についても触れ、「現在の状況下において、私たちの最優先事項は成長を継続させると同時に、損益を適切に管理し、関税引き上げによる影響を相殺することです。すでに非常に健全な粗利益率を確保しており、これを活かして対応していきます」と語った。

ロレアルは、依然として世界のビューティーマーケットを上回る成長を目指すとしており、新商品の投入やブランド投資を通じて、今後も成長加速を図っていく方針だ。

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