ユニリーバ(Unilever)、構造改革加速で6,000人削減─2025年第1四半期の動向を発表

Unilever

4月24日(現地時間)、ユニリーバ(Unilever)は、2025年第1四半期に基礎売上高が3.0%増加したことを発表した。あわせて、昨年発表した構造改革も順調に進んでおり、全世界で予定されている7,500人の人員削減のうち、すでに約6,000人の削減を実施済みであることが発表された。この取り組みにより、同社は2025年末までに5億5,000万ユーロのコスト削減を見込んでいる。

ビューティー&ウェルビーイング部門:成長の原動力に

第1四半期における注目すべき成果のひとつが、美容関連のビューティー&ウェルビーイング部門(Beauty & Wellbeing)の堅調な成長である。売上は前年同期比で4.1%増加し、ボリュームは2.5%、価格は1.5%の伸びを記録した。

特に、リキッド・アイ・ヴィー(Liquid I.V.)やニュートラフォル(Nutrafol)といったウェルビーイングブランドは2桁成長を遂げており、デジタルチャネルでのシェア拡大が業績を後押ししている。オリー(Olly)もデジタルで好調なパフォーマンスを見せ、ボリュームは2桁増となった。

一方、プレミアムスキンケアにおいては、タッチャ(Tatcha)やアワーグラス(Hourglass)が好調を維持する一方で、ポーラズ・チョイス(Paula’s Choice)やダーマロジカ(Dermalogica)は若干の減収。ケイ・エイティーン(K18)は2桁成長を記録し、2025年2月より売上に反映されている。

ヘアケア:リニューアルで再活性化

ヘアケア部門は、売上ベースでは横ばいだったものの、ブランド別では明暗が分かれた。

ダヴ(Dove)は、最先端のファイバー補修技術を取り入れたリニューアルにより、中程度の成長を記録。新たなパッケージデザインとともに、再び消費者の関心を集めている。

サンシルク(Sunsilk)は、前年に大幅な成長を遂げた反動と、ブラジル市場における在庫調整の影響により、成長は停滞。一方、ネクサス(Nexxus)は、HY-Volumeシリーズの導入を背景に、2桁成長という好成績を収めた。

CEOのフェルナンド・フェルナンデス(Fernando Fernandez)は、「今年は力強いスタートを切ることができました。第1四半期の基礎売上高成長率3%は、先進国市場におけるプレミアムかつイノベーション主導のポートフォリオの強さを反映しています。新興市場では、後半に向けて成長を加速するための対策も講じています」とコメント。

さらに、「ブランドに対するスケールある魅力づくりと、市場における優れた実行力こそが、ユニリーバを持続的に高業績を実現する企業へと変える柱です。私たちはスピード感をもって行動しており、2025年以降も着実に前進してまいります」と続けた。

今後の見通しは

ユニリーバは、2025年通期の基礎売上成長率を3〜5%と見込んでいる。北米・欧州など先進国の堅調さに加え、中国およびインドネシア市場の回復も下半期の成長要因になるとしている。また、関税の影響については「限定的かつ管理可能」としており、現地生産体制の強化や、原材料コストの上昇に対する価格戦略の見直しを進めている。

なお、同社のアイスクリーム部門は、2025年7月1日より「ザ マグナム アイスクリーム カンパニー(The Magnum Ice Cream Company)」として独立し、同年第4四半期にアムステルダム、ロンドン、ニューヨークの証券取引所に上場予定だ。9月9日にはキャピタル・マーケッツ・デーも開催される。

Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.