米国発のD2Cファインジュエリーブランド「アンガラ(Angara)」、インド市場へ本格参入

Angara

4月26日(現地時間)、300年以上にわたる宝石の専門知識を受け継ぐファインジュエリーブランド「アンガラ(Angara)」が、インド市場への正式な参入を発表した。米国、英国、オーストラリアを中心に事業を展開してきた同社は、これまでに世界100万人以上の顧客にサービスを提供してきた実績を持つが、今回のインド進出により、パーソナライズされたジュエリーを求める新たな層にアプローチする構えだ。

アンガラは2005年、インド系起業家であるアンカル・ダガ(Ankur Daga)とアディティ・ダガ(Aditi Daga)によって設立された。家業として300年の歴史を持つ宝石ビジネスの伝統を引き継ぎ、伝統的なクラフトマンシップと現代的な技術革新を融合させたブランドとして知られる。外部資金に頼ることなく売上1億ドルを超えるまでに成長した同社は、今後5年間で10億ドル規模への拡大を目指す。

Angara co founders
アンガラ共同創業者:アンカル・ダガ(Ankur Daga)とアディティ・ダガ(Aditi Daga)

インド市場への進出について、共同創業者兼CEOのアンカル・ダガは、「インドのジュエリーマーケットは大きな転換点にあります。情報感度が高く、個性を大切にする消費者が増えており、私たちのカスタマイズ可能な高品質ジュエリーが求められていると確信しています」と説明。

また、共同創業者のアディティ・ダガは、「これまでのインド市場では、伝統的なゴールドジュエリーか、価格が高騰するラグジュアリーブランドかという二択しかありませんでした。アンガラはその間にある空白を埋め、手の届く価格でオーダーメイドのファインジュエリーを提供します」と述べた。

インドのジュエリーマーケットは現在、規模1,000億ドルを超え、世界有数の宝石産業拠点とされている。しかし近年、ジュエリーは単なる財産や伝統品ではなく、自己表現や感情投資の対象へと位置づけられるようになってきた。特に、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドを巡る市場動向が揺れ動くなか、カラーストーンが次なる投資対象として注目を集めている。

この潮流を捉え、アンガラはルビー、サファイア、エメラルドといったカラーストーン分野で世界的権威と評価されてきた。顧客は宝石の種類やカラット数、金属素材、セッティングに至るまで細やかにカスタマイズ可能であり、ひとつとして同じもののない、パーソナルなジュエリー体験を提供する。

また、同社の強みは、原石調達からデザイン、製造、品質管理、配送に至る全プロセスを自社内で完結させる垂直統合型モデルにある。これにより、価格の透明性、品質保証、倫理的な調達という現代消費者が重視する要素を高度に実現している。

インド市場においても、アンガラはグローバルで培った垂直統合型オンラインモデルを軸に展開を進める方針だ。AIによるパーソナライズドレコメンド機能と、オーダーメイド型のカスタマイズオプションを組み合わせた、デジタルファーストの購買体験を提供。さらに今後は、体験型フィジカル店舗の開設も視野に入れ、オムニチャネル戦略を本格化させていく。

価格の透明性、卓越したクラフトマンシップ、そしてパーソナライズの力。
アンガラは、こうした価値を携えて、インド市場におけるジュエリー体験の新たなスタンダードを築く意向である。

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