アリツィア（Aritzia）、米国主導で過去最高売上を更新─ 北米130店舗体制へ

カナダ、バンクーバー発のファッションブランド「アリツィア（Aritzia Inc.）」は、2025年3月2日を期末とする通期決算において、前年比17.4%増の27億4,000万カナダドルを記録し、過去最高の売上高を更新したことを発表した。同社は、米国市場の勢いを背景に、ブランドとしての存在感をさらに高めている。

成長の牽引役となったのは、米国市場における29%の売上成長だ。中でも注目すべきは、ニューヨークの五番街に新設された旗艦店を含む新規出店とEコマース強化が大きな成果を上げた点である。米国売上は15億8,000万カナダドルに達し、売上全体の過半数を占めた。一方、カナダ国内の売上は4.6%増の11億5,600万カナダドルと堅調に推移している。

さらに、Eコマース領域でも前年比21.1%増の9億5,100万カナダドルを達成。実店舗売上も15.5%増の17億9,000万カナダドルとなり、12の新店舗オープンと3店舗の再配置により、店舗数は130店体制へと拡大した。

第4四半期（Q4 FY2025）においてもその勢いは顕著で、売上は前年同期比31.3%増の8億9,510万カナダドル。米国売上が56.2%増、Eコマースが48%増という記録的な伸びを示した。既存店売上（コンパラブルセールス）も26%の成長、純利益は前年比約4倍の9,960万カナダドル（1株あたり0.84カナダドル）と大幅に拡大した。

アリツィアのCEOであるジェニファー・ウォン（Jennifer Wong）は、「第4四半期および2025年度通期の業績は、当社ビジネスの強さとアリツィアブランドへの親和性の高まりを裏付けるものです」と声明でコメント。

さらにウォンは、製品ラインナップや在庫戦略、マーケティング投資が相乗効果を発揮しているとし、「魅力的な製品群、最適化された在庫体制、戦略的なマーケティング投資を基盤に、Eコマースの勢いを加速させ、五番街旗艦店の開業を含む店舗戦略も着実に実行しました」と語った。

2026年度第1四半期に向けても好調は続く見込みで、アリツィアは売上を6億2,000万〜6億4,000万カナダドル、前年比24〜28%増と予測。通期では30億5,000万〜32億5,000万カナダドル、前年比11〜19%増を見込んでおり、さらなる成長が期待される。

また、世界的な関税変更の影響にも言及したウォンは、「当社は40年以上にわたり、さまざまな経済環境においても成功を収めてきました。この実績が、柔軟に適応できる企業であることを証明しています」と自信を示した。

こうしたブランド力と北米市場での存在感を着実に強化しながら、アリツィアは次なるフェーズに向けて歩みを進めている。