バーバリー(Burberry)やジバンシィ(Givenchy)でクリエイティブディレクターを務めてきたリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)が、性的暴行の疑いでニューヨーク州にて訴訟を起こされている。提訴したのは、ニューヨーク在住のパトリック・クーパー(Patrick Cooper)で、事件は2024年6月に発生したとされている。
訴状によると、クーパーは2024年6月29日頃、ニューヨークのハーレムにあるレストランでティッシと遭遇。会話の途中、目を離した隙に飲み物に薬を盛られたと主張している。薬の効果で意識を失ったクーパーは、次に目覚めたときにはティッシのソーホーの自宅で裸の状態で横たわっていたとされ、本人の同意がないまま性的暴行を受けたと訴えた。また、「薬の影響により、抵抗も拒絶もできなかった」とし、事件後には病院でレイプキット検査を受け、警察にも通報したという。
その後この件は、2025年4月29日にニューヨーク州最高裁に正式に提訴された。訴因には暴行、傷害、不法監禁、精神的苦痛の故意による加害、ならびにニューヨーク州のジェンダー動機による暴力法違反が含まれており、クーパーは補償的および懲罰的損害賠償を求めている。
一方で、ティッシの広報担当は「これらの主張は断固として事実無根です。リカルドはこれらの虚偽かつ悪意ある申し立てを法のもとで否定し、潔白を証明することを望んでいます」とコメント。なお、ニューヨーク市警(NYPD)は本件に関する詳細についてのコメントを控えたが、「性的暴行やレイプ事件は極めて深刻に受け止めており、被害者には速やかに警察に通報してもらいたい」と声明を出している。
ティッシはファッション界でも影響力を持つデザイナーの一人で、マドンナ(Madonna)、ビヨンセ(Beyoncé)、リアーナ(Rihanna)、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)らの衣装も手がけてきた。2005年から2017年までジバンシィで、2018年から2022年までバーバリーでそれぞれトップを務め、モードの最前線をけん引してきた。
現在もクリエイティブ活動を続けており、最近では高級ハンドバッグのコラボレーションを発表。また、今後もファッション関連プロジェクトが控えていると報じられている。
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