5月5日(現地時間)、スケッチャーズUSA社(Skechers USA Inc.)は、米投資会社3Gキャピタルによる買収に合意したことを発表した。買収総額は約94億2,000万ドルに達し、3Gキャピタルはスケッチャーズの全発行株式を1株あたり63ドルの現金で取得。この価格は、過去15日間の出来高加重平均株価に対して約30%のプレミアムとなる。
なお、買収の完了は2025年第3四半期を予定しており、資金は3Gキャピタルからの現金出資と、JPモルガン・チェース銀行(JPMorgan Chase Bank, N.A.)による融資によってまかなわれる。本取引の完了後、スケッチャーズはニューヨーク証券取引所での上場を廃止し、非公開企業となる予定だ。
年間売上高90億ドル、時価総額約74億ドルを誇るスケッチャーズは、世界第3位のフットウェアブランドとして、スタイル・快適さ・品質・革新性を手頃な価格で提供することに注力してきた。今後もその経営方針を継続するとしており、経営陣は現体制のまま事業を指揮していく。
同社の創業者であり会長兼CEOであるロバート・グリーンバーグ(Robert Greenberg)は、今回の買収について、声明で以下のようにコメント。
「過去30年間にわたり、スケッチャーズは大きな成長を遂げてきました。今回の3Gキャピタルとのパートナーシップにより、才能あるチームが消費者や顧客のニーズに応えるための専門性をさらに発揮し、長期的な成長を実現できると確信しています。」
また、3Gキャピタルの共同代表であるアレックス・ベーリング(Alex Behring)およびダニエル・シュワルツ(Daniel Schwartz)は、次のように述べている。
「スケッチャーズは創業者主導の象徴的なブランドであり、創造性と革新の実績を持っています。私たちは、このチームが築き上げたビジネスに深い敬意を抱いており、次の成長の章を支援できることを楽しみにしています。」
本件の発表に先立ち、スケッチャーズは2025年4月に通期見通しを撤回していた。同社はその理由として、「世界的な貿易政策によるマクロ経済の不透明感」を挙げており、特に製造拠点であるベトナムや中国への影響が大きいという。現在はコスト圧力への対応として、価格戦略の見直しやサプライヤーとの連携強化を進めている。
競争の激しいグローバルフットウェア市場において、スケッチャーズは今後、3Gキャピタルの支援のもと、さらなる成長戦略を描く構えだ。
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