5月12日(現地時間)、米大手消費財メーカーの「チャーチ アンド ドワイト(Church & Dwight)」は、手指消毒剤市場で急成長を遂げるブランド「タッチランド(Touchland)」を買収する正式契約を締結した。買収額は現金および制限付き株式による7億ドルに加え、2025年の売上達成に応じて最大1.8億ドルのアーンアウトが支払われる可能性があり、総額は最大8億8,000万ドルにのぼる見込みだ。取引は2025年第2四半期中の完了が予定されている。
タッチランドは、Z世代やミレニアル世代を中心に人気を集め、米国市場におけるハンドサニタイザー部門でシェア第2位を誇る。スタイリッシュで機能的なデザインとフレグランスのバリエーションで注目され、セフォラ(Sephora)やアーバンアウトフィッターズ(Urban Outfitters)をはじめとするセレクトリテールで展開されている。
チャーチ アンド ドワイトのCEOであるリック・ディアカー(Rick Dierker)は、「タッチランドは当社の8番目の“パワーブランド”として、今後の成長を牽引する存在です」と述べ、「創業者であるアンドレア・リスボナ(Andrea Lisbona)とルッジェロ・グラマティコ(Ruggero Grammatico)を迎え入れ、ブランドの次なるフェーズを共に築いていきます」とコメントしている。
タッチランドは直近12カ月間(2025年3月末時点)の売上が約1億3,000万ドル、EBITDA(利払い・税引前・償却前利益)は5,500万ドルを計上。米国・カナダでの展開に加え、セフォラを通じて中東市場にも進出済みであり、今後はチャーチ アンド ドワイトの国際ネットワークを活用し、グローバル展開をさらに加速させる方針である。
ブランドはマイアミを拠点とし、買収後もオリジナルの経営体制と社員は維持される見込みだ。ディアカーは、タッチランドのようなアセットライトで機動性の高い企業こそ、同社の成長戦略に最適であると強調した。
一方、創業者のアンドレア・リスボナは、「私の夢は、世界中の人々の手にタッチランドを届けることです。チャーチ アンド ドワイトという最適なパートナーと共に、ブランドのグローバル展開をさらに加速させていきたいです」と、今後のビジョンを語っている。
なお、本買収は2025年度のEPS(1株利益)に対して中立的であり、2026年にはキャッシュベースの収益に対して3%の増益効果をもたらす見込みだ。
近年、ビューティ・ウェルネスカテゴリーにおけるデザイン性やブランド体験の重要性が高まる中、タッチランドのようにビジュアルと機能を両立したブランドは、今後もファッション&ライフスタイルの領域で存在感を強めるだろう。
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