マイテレサ(Mytheresa)、第3四半期は売上3.8%増、平均注文額は8.8%上昇に

Mytheresa

5月14日(現地時間)、ドイツのラグジュアリーEC企業である「マイテレサ(Mytheresa)」は、2025年度第3四半期(2025年3月31日終了)の決算を発表し、堅調な売上と利益を達成したことを明らかにした。

ドイツのミュンヘンに本社を構える同社は、純売上高が前年同期比3.8%増の2億4,250万ユーロとなり、平均注文額(AOV)も8.8%増の753ユーロを記録。また、流通取引総額(GMV)は前年同期の2億5,190万ユーロから2億6,130万ユーロへと3.8%増加し、顧客1人あたりの消費額も上昇している。

カテゴリ別では、リゾートウェアやビーチウェア、ファインジュエリーが好調で、ブランド別ではザ ロウ(The Row)、アライア(Alaïa)、ブルネロ クチネリ(Brunello Cucinelli)、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)が売上を牽引した。

加えて、最上位顧客層の支出は前年同期比で17.9%増となり、高価格帯の商材を中心とした戦略が奏功したことをうかがわせる。

同社はまた、調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を930万ユーロとし、利益率は3.9%と前年を上回った。純損益は前年同期の330万ユーロの赤字から550万ユーロの赤字へと拡大したものの、構造改革および戦略的投資を進める中で、利益率の安定化は維持されている。

CEOであるマイケル・クリーガー(Michael Kliger)は、同社のビジネスモデルの強さについて次のように述べている。

「第3四半期の結果は、マイテレサのビジネスモデルの強さを再確認させるものでした。トップ顧客の支出増加、製品マージンの拡大、強い収益性が示すように、マイテレサは不安定なマクロ経済環境下でも健全で回復力のある事業です。」

また、今期の決算には含まれていないが、マイテレサは4月に「ユークス ネット ア ポルテ(Yoox Net-a-Porter)」(YOOX、NET-A-PORTER、MR PORTER、THE OUTNET)の買収を完了しており、来期からはこれらのブランドが連結対象として加わる予定である。

これに伴い、新体制となる「ラックスエクスペリエンス(LuxExperience)」グループは、2025年度第4四半期より、事業報告を3つのセグメントに分けて行う。ひとつは、従来のマイテレサ単体事業を担う「Luxury – Mytheresa」、もうひとつはネット ア ポルテ、およびミスター ポーターを統合した「Luxury – NET-A-PORTER & MR PORTER」、そして残るひとつは、ユークスおよびジ アウトネットを中心としたオフプライス領域の「Off-Price – YOOX & THE OUTNET」である。

この買収によって、ラックスエクスペリエンスグループ全体の売上はさらに拡大が見込まれており、第4四半期には売上高3〜3.5億ユーロ、調整後EBITDA損失は2,000万〜3,000万ユーロが加算される予定である。

なお、中長期的には、年間40億ユーロの売上と7〜9%の調整後EBITDAマージンを達成するという目標を掲げており、デジタル領域におけるマルチブランド・ラグジュアリーのリーダー企業としての地位を固めつつある。

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