ディックス スポーティング グッズ(DICK’S Sporting Goods)、24億ドルの大型取引でフットロッカーを買収へ

Footlocker

5月15日(現地時間)、アメリカの大手スポーツ用品チェーン、「ディックス スポーティング グッズ(DICK’S Sporting Goods)」が、スニーカーカルチャーの象徴的存在である「フットロッカー(Foot Locker)」を買収することを発表した。買収額は約24億ドル(約3,700億円)にのぼり、取引完了は2025年後半を予定している。

グローバルスポーツ小売の“新勢力”誕生

今回の買収により、ディックス スポーティング グッズが展開する全米850店舗と、フットロッカーが世界20カ国に構える約2,400店舗が統合され、スポーツ×ライフスタイル領域における世界規模の小売ネットワークが形成される。

フットロッカーは、スニーカーに特化したブランドとして「キッズ・フットロッカー(Kids Foot Locker)」「チャンプス・スポーツ(Champs Sports)」「WSS(ダブリューエスエス)」「アトモス(atmos)」などを傘下に持ち、2024年の売上は80億ドルに達した。買収後も、これらのブランドは継続して展開され、フットロッカーは独立した事業部門として運営される。

“スニーカーヘッズ”と“新世代アスリート”を同時に取り込む

従来は競技スポーツを中心に展開してきたディックス スポーティング グッズだが、今回の買収により、スニーカー文化やストリートファッションに敏感な若年層=いわゆる“スニーカーヘッズ”との接点を一気に拡大することになる。

同社CEOのローレン・ホバート(Lauren Hobart)は、声明の中で「フットロッカーが持つカルチャーと情熱をリスペクトしつつ、スポーツの未来を共に築いていきます」とコメントしている。

取引条件として、フットロッカーの株主は1株あたり24ドルの現金、またはディックス スポーティング グッズの普通株式0.1168株のいずれかを選択出来る。この金額は、直近60営業日の加重平均株価に対し約66%のプレミアムがついており、株主にとっても魅力的な条件だ。

また、買収完了初年度から一株当たり利益(EPS)にプラスとなる見込みであり、物流や商品調達面での統合効果により、中期的には1億〜1億2,500万ドルのコスト削減も期待されている。

アトモスのようなカルチャー発信型ブランドを内包するフットロッカーの買収は、ディックス スポーティング グッズにとって次なるステージへの布石といえるだろう。

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