ロロ ピアーナ(Loro Piana)、モンゴルの草原保全とカシミヤ生産支援に向けた5年間のプログラム「Resilient Threads」を開始

Loro Piana

5月19日(現地時間)、ラグジュアリーブランドのロロ ピアーナ(Loro Piana)は、モンゴルの草原環境と遊牧民コミュニティを支援する5年間の新プログラム「レジリエント・スレッズ(Resilient Threads)」を開始した。これは、同ブランドが40年以上にわたり築いてきたモンゴルとの関係をさらに強化し、持続可能なカシミヤ調達を目指す長期的な取り組みとなる。

ロロ ピアーナにとって、モンゴルは単なる原材料の産地ではない。ブランド唯一の海外製造拠点を首都ウランバートルに構え、40年以上にわたって最高級のカシミヤ調達に取り組んできた同社にとって、地元の協同組合や遊牧民との関係は、クラフツマンシップの核心でもある。

今回のプログラムが対象とするのは、モンゴル東部スフバートル県の5つの地区。ここは、世界でも数少ない手つかずの草原生態系が広がる一方で、ゾドと呼ばれる過酷な冬の自然災害により、家畜と人々の生活が大きな影響を受けている。

ロロ ピアーナは、これらの地域で活動するカシミヤ協同組合や遊牧民と連携し、持続可能なサプライチェーンの確立、生物多様性の保全、気候変動への対応を図っていく。

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医療・教育支援や生態系保護を包括的に実施

なお、同プログラムは、「ワンヘルス(One Health)」の概念に基づき、人・動物・環境の健康を包括的に支援する。2025年には、遠隔地に医療・啓発サービスを提供する移動型の保健ハブが導入される予定。また、生物多様性センターの設立や、環境保全・薬用植物の保存などを目的とした種子バンクの運営も含まれる。

こうした活動は、国連砂漠化対処条約(UNCCD)、持続可能な繊維同盟(SFA)、オデッセイ保全トラスト(OCT)との連携のもと、2年にわたる準備期間を経て、現地政府や協同組合との共同設計により、本格始動が決定した。

ロロ ピアーナの責任あるラグジュアリーの現在地

また、「レジリエント・スレッズ」は、LVMHが推進する環境戦略「LIFE 360」に沿った取り組みでもあり、2030年までに5百万ヘクタールの自然生息地回復というグループの目標達成にも貢献する。

ペルーのビキューナ、ニュージーランドのメリノ、そしてモンゴルのカシミヤ──ロロ ピアーナが世界中の希少素材に注ぐ情熱は、単なる素材調達にとどまらない。生産地のコミュニティに対しても、長期的視野での支援と投資を惜しまない姿勢が、ブランドの回復力と真のラグジュアリーの源泉となっている。このプロジェクトを通じて、ロロ ピアーナは、ブランドの環境意識と社会的責任への取り組みを、次世代に継承していく意思を示している。

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