5月22日(現地時間)、ラルフ ローレン(Ralph Lauren)は、2025年度第4四半期決算を発表し、売上・利益ともに市場予想を上回る好調な結果であったことを報告した。同社は引き続きグローバルでのブランド力を背景に直営店販売を拡大しつつも、2026年度については「低い一桁台の増収」という慎重な見通しを示している。
売上高8%増、平均販売単価の上昇が牽引
ラルフ ローレンの同四半期の売上高は、17億ドル(前年同期比+8%/為替一定ベース+10%)を記録。中でも直営チャネルの既存店売上高は13%増と力強く、全地域で小売・デジタルの両チャネルが成長を牽引した。AUR(平均販売単価)は高い一桁成長を示し、価格戦略の有効性を示している。
アジア市場は13%増(為替一定)と堅調に推移しており、特に中国では20%を超える成長を記録した。さらに、欧州は16%増、北米は6%増と、3市場すべてでプラス成長を確保した。
また、売上総利益率は前年から2ポイント上昇し、68.6%を達成。これは、チャネルおよび地域ミックスの最適化、AURの向上、原材料コストの抑制が貢献したとされている。
純利益も前年同期比42%増の1億2,900万ドルに達しており、収益性の面でも高い水準を維持している。調整後の1株あたり利益(EPS)は2.27ドルと、アナリスト予想(2.04ドル)を上回る結果となった。
「私たちのブランドが時の試練に耐えてきたのは、私たちを定義する価値観、品質、真実性、タイムレスなスタイルに忠実であり続けてきたからです」と、エグゼクティブ・チェアマン兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのラルフ・ローレンは語る。
「経済が好調な時も不確実な時も、世界中のチームは細心の注意と情熱をもって私たちのビジョンを体現し続けており、それが今日だけでなく、未来においても正しい選択を可能にしているのです。」
また、ラルフローレンのプレジデント兼最高経営責任者のパトリス・ルーヴェ(Patrice Louvet)は、今後の事業方針について、「2026年度に入っても、私たちは攻めの姿勢を維持していきます。ライフスタイルカテゴリー、地域、チャネルといった複数の成長エンジンに注力しつつ、引き続き柔軟かつ慎重に対応していきます」と述べ、「多様化されたサプライチェーン、確かなオペレーション体制、強固なバランスシートを活かしながら、マクロ経済の不透明感に対応していく所存です」と続けた。
なお、同社は、2026年度の売上高を「低い一桁台の増収」(為替一定ベース)と想定しており、上期に成長が集中する見込みを立てている。これについてルーヴェは、消費者マインドの低下と通商政策の不確実性を背景に、下期には価格転嫁による消費者の負担増が起こる可能性も示唆している。
一方で財務面では、現金および短期投資残高が21億ドルに達し、年間3.65ドル(前年度比+10%)への配当増額に加え、15億ドルの自社株買い枠を新たに承認。ブランド強化と株主還元を両立する姿勢を明確にしている。
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