5月28日(現地時間)、米ビューティ企業「エルフ ビューティー(e.l.f. Beauty)は、ヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)が創業したスキンケアブランド「ロード(rhode)」を約10億ドルで買収したことを発表した。
ロードは、2022年の創業時から、2025年3月期の12か月間で2億1,200万ドルという驚異的な売上を記録。今回の買収額はその約3.8倍にあたる最大10億ドルで、8億ドルの現金および株式、さらに今後3年間の業績に応じた最大2億ドルのアーンアウトが含まれている。取引のクロージングは年内を予定しており、資金調達には6億ドルの負債が充てられ、一部の株式にはロックアップ期間が設けられている。
ロードは、シンプルで高機能なスキンケアとハイブリッドメイクの製品を展開し、DTC(Direct to Consumer)モデルを中心に急速な成長を遂げてきた。最近では、セフォラ(Sephora)とのパートナーシップを締結し、年内に北米と英国での店舗展開も開始し、今後はグローバル市場への参入も図っていく。
なお、エルフ ビューティーは、2004年の創業以来「美をすべての人に届ける」ことを掲げ、手頃な価格で高品質な製品を展開している。近年は「エルフ スキン(e.l.f. SKIN)」や「ナチュリウム(Naturium)」の買収を通じてスキンケア分野を強化。さらに、今回のロード買収によってプレミアムチャネルへの本格進出を果たしていく。
エルフ ビューティーの会長兼CEOであるタラン・アミン(Tarang Amin)は、ロード買収の狙いについて、次のように語る。
「エルフ ビューティーは、ロードという志を同じくするディスラプター(業界の変革者)を見つけました。ロードは急成長中のブランドであり、私たちのポートフォリオにさらなる多様性をもたらしてくれます。プレミアムの魅力を手頃に提供するという点において、エルフ ビューティーのビジョンと完全に一致しています。ロードは美しいブランドであり、ロケットのような成長が期待できると考えています。」
ビーバーは今回の発表に際し、「ロードをもっと多くの“顔”へ、“場所”へ、そして“空間”へ届けられるのが楽しみです」と述べ、「ブランド創設当初からのビジョンは、毎日使える本質的なスキンケアとハイブリッドメイクを提供することでした。エルフ ビューティーとの提携は、コミュニティとの接点を広げ、革新的な製品を世界に届ける絶好の機会だと感じています。創業者として、そして新たにCCO兼イノベーション責任者として、この新たな章をリードできることを光栄に思います」と語っている。
なお、ロードの経営陣には、共同創業者であるマイケル・D・ラトナー(Michael D. Ratner/Co-Executive Chairman)とローレン・ラトナー(Lauren Ratner/President & Chief Brand Officer)、そしてCEOのニック・ヴラホス(Nick Vlahos)が名を連ねており、今後もロサンゼルスを拠点にブランド運営を継続する。
創業者であるビーバーは、買収後もブランドの最高クリエイティブ責任者およびイノベーション責任者として、製品開発・クリエイティブ・マーケティングを指揮し、戦略アドバイザーも務める予定だ。
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