ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)がディオールの新CDに就任ー 全ライン統括はムッシュ・ディオール以来初

Jonathan Anderson

6月2日(現地時間)、LVMHグループ傘下のクリスチャン ディオール(Christian Dior)は、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)をウィメンズ、メンズ、そしてオートクチュールの3ラインすべてを統括するクリエイティブ・ディレクターとして迎えることを発表した。

これは、メゾン創設者であるムッシュ・ディオール(Monsieur Dior)以来、初となる全ライン統括型の体制であり、ディオールにおけるグローバルなクリエイティブ・ビジョンの再編を象徴する歴史的な人事となる。

アンダーソンによる初のコレクション「Dior Men Summer 2026」は、2025年6月27日にパリで発表予定。ウィメンズ、メンズ、オートクチュールの全方向でどのようにディオールのDNAを再解釈し、新たな美学を提示するのか、その動向に注目が集まっている。

ジョナサン・アンダーソンは、自身の名を冠したJWアンダーソン(JW Anderson)を成功に導いただけでなく、2013年以降はスペイン発のロエベ(Loewe)においてもブランドの再構築と国際的評価の確立に貢献してきた。そのアーティスティックかつ建築的なアプローチは、クラフトとコンセプチュアルの融合を象徴するものとして、高く評価されている。

LVMH会長ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)は今回の任命について、「ジョナサン・アンダーソンは、同世代の中でも最も優れたクリエイティブ・タレントの一人」とコメントし、その芸術性をディオールの次なるフェーズに不可欠な資産と位置づけた。

“3ライン統括”という異例の体制が示す、ディオールの次なる戦略

また、今回の人事は、単なるデザイナー交代ではなく、ディオールというメゾンが今後目指す統合的ブランド戦略の象徴とも言える。

ウィメンズ、メンズ、オートクチュールのそれぞれに分かれていたビジュアル・言語・クリエイティブが、アンダーソンという一人のビジョナリーに集約されることで、ブランド全体のトーン&マナーを一貫させ、次世代のラグジュアリー像を打ち出す狙いが見て取れる。

クリスチャン ディオール クチュールの会長であるデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)は、声明の中で、「彼がムッシュ・ディオールの物語とコードからインスピレーションを得て、創造的かつ現代的なビジョンをもたらしてくれることを確信しています」とコメント。

アンダーソン自身は、「ディオールというメゾンの歴史、奥行き、そして共感力に常にインスピレーションを受けてきました」と語っており、伝統を踏襲しつつも、彼ならではの視点で再構築していくことが期待される。特に、文化やジェンダー、クラフツマンシップといったテーマに対して、批評的かつ創造的にアプローチしてきた彼のスタンスは、ディオールにおける美の定義や女性像・男性像にも新たな視点をもたらすだろう。

 

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