アナ・ウィンター(Anna Wintour)が米VOGUEに新たな編集責任者ポストを設置へ

Anna Wintour

6月26日(現地時間)、米VOGUEの編集を約35年にわたり率いてきたアナ・ウィンター(Anna Wintour)が、アメリカ版の編集実務を担う新たなポジション「編集コンテンツ責任者(Head of Editorial Content)」の人材募集を開始したことが明らかとなった。

これは、編集長職を維持する従来の体制から、近年VOGUEの国際版で導入が進む“グローバル共通構造”への移行を意味する。新たな責任者は、ウィンターの直属として米VOGUEの編集現場を指揮する形となり、日々の制作・運営における実務の中心を担う。

一方でウィンター自身は、引き続きVOGUEのグローバル・エディトリアル・ディレクターおよび親会社コンデナスト(Condé Nast)のチーフ・コンテンツ・オフィサーとしての任務を継続。米VOGUEに加え、28の国際版VOGUEを含むグローバルネットワーク全体を統括するほか、Wired、Vanity Fair、GQ、Bon Appétitなど同社傘下の主要ブランドの編集方針にも深く関与し続ける。

この再編の背景には、ウィンターの役割が年々拡大してきたことに加え、「グローバルブランドとしての一貫性」と「ローカル編集体制の強化」の両立が求められている現状がある。現場運営を新たなリーダーに託すことで、ウィンターはVOGUEブランド全体の戦略策定やコンテンツビジョンの構築に注力する体制へとシフトしていく。

たびたび囁かれてきたウィンター退任の噂に対し、今回の発表は「退任」ではなく「移行」。すなわち、“ポスト・ウィンター時代”を見据えた第一歩としての意味合いが強く、VOGUEというブランドがグローバル市場における影響力を維持・拡大するための、戦略的な体制再編といえるだろう。

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