ロレアル（L’Oréal）、急成長中のヘアケアブランド「カラーワウ（Color Wow）」を買収へ

6月30日（現地時間）、世界最大のビューティー企業、ロレアル（L’Oréal）は、プロフェッショナル向けヘアケアブランド「カラーワウ（Color Wow）」を買収する契約を締結したことを発表した。

カラーワウは、ゲイル・フェデリチ（Gail Federici）によって2013年に設立された米英拠点のブランドで、発売以来、美容業界で圧倒的な支持を得てきた。特に、湿気から髪を守るドリームコート・スーパーナチュラル・スプレーは世界的なヒット商品であり、同社調べでは、4.4秒に1本売れている人気ぶりを誇る。またカラーワウは、これまでに130以上のビューティーアワードを受賞し、髪の広がり、ボリューム不足、根元のリタッチといった多様な悩みに応える製品群を展開してきた。

ロレアルによれば、カラーワウはプロフェッショナル製品部門に加わる予定で、同部門は2024年に48億9,000万ユーロの売上を計上。ロレアルにとっては、同分野におけるポジション強化を図るうえで重要な戦略的買収とされる。

同買収について、ロレアルプロフェッショナル製品部門プレジデントのオマール・ハジェリ（Omar Hajeri）は、次のように述べている。

「カラーワウをロレアルファミリーにお迎えできることを、心より嬉しく存じます。同ブランドは、高い効果が実証されながらも、手に取りやすい価格帯で提供されるプレミアムヘアケアブランドであり、今回の買収により、当社のヘアケアおよびスタイリングカテゴリーにおける市場での存在感は一層強まるものと確信しております。ブランドの高い成長可能性を踏まえ、今後はグローバルで影響力を持つブランドへと育てて参ります。」

一方、創業者でありCEOのゲイル・フェデリチは「ロレアルに加わることは、カラーワウチーム全体にとってこの上ないチャンスです」と述べ、「世界最大のビューティーカンパニーの一員となることで、ブランドの継続的な成功の土台が築かれ、さらなるイノベーションを推進していけるでしょう」とコメントした。

なお、今回の買収により、ロレアルは近年相次いで手がけてきた大型M&A戦略の一環をさらに前進させる形となった。2025年には英国発のスキンケアブランド「メディケート（Medik8）」の過半数株式取得にも合意しており、報道によればその取引額は10億ユーロにのぼるとされる。

現在、カラーワウは米国において、ヘアサロンのほか、セフォラ（Sephora）、アマゾン（Amazon.com）、ウルタ（Ulta.com）などの主要な販売チャネルで展開されている。さらに、セフォラを通じて英国、EU諸国、ドバイでも流通網を築いている。今後はロレアルのネットワークを活かすことで、グローバルでのさらなる流通拡大が見込まれる。