ベルギー出身のデザイナー、メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)が『ANDAMファッションアワード』2025年グランプリを受賞

Meryll Rogge

6月30日(現地時間)、仏ファッション界の名誉ある賞のひとつであるANDAMファッションアワードの2025年グランプリに、ベルギー出身のデザイナー、メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)が選出された。

今年の授賞式は、パリのパレ・ロワイヤル庭園にて開催。例年以上に蒸し暑い中、ファッション界の関係者が集まり、最終選考に残ったデザイナーたちの努力と創造性を称えた。

ロッゲは、30万ユーロの賞金に加え、LVMH会長兼CEOベルナール・アルノー(Bernard Arnault)のシニアアドバイザーであり、フランス国立ファッション学院(IFM)会長も務めるシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)による個別メンタリングを受ける。

ANDAMの会長ギヨーム・ウゼ(Guillaume Houzé)は、ロッゲの作品について「曖昧さ、ハイブリッド性、そして予測不能な要素を味方に変え、ファッションと現代文化の見本市を披露しました」と述べている。

メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)は、アントワープ王立芸術アカデミーを2008年に卒業。マーク ジェイコブス(Marc Jacobs)やドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)でのキャリアを経て、2020年に自身のブランドを立ち上げた。現在はパリでウィメンズコレクションを発表しており、アントワープやブリュッセルのファッションミュージアムにも作品が収蔵されている。加えて、2024年のベルギーファッションアワードでは、「年間最優秀デザイナー」部門で女性初の受賞者となった。

準グランプリにあたるスペシャル賞は、2023年に自身のブランドを立ち上げたアラン・ポール(Alain Paul)が受賞。賞金10万ユーロに加え、トレダノからのメンタリングを受ける。

また、ピエール・ベルジェ賞は、ジェンダーレスで官能性と構築的ミニマリズムを融合させたブランドを展開するブルク・アクヨル(Burç Akyol)が受賞。アクヨルには、2013年にANDAMグランプリを受賞したアレクサンドル・マチュッシ(Alexandre Mattiussi)(AMIの創設者・アーティスティックディレクター)からのメンタリングが用意されている。

アクセサリー部門の受賞者は、サラ・レヴィ(Sarah Levy)に贈られ、10万ユーロの賞金とともにソフィー・ドラフォンテーヌ(Sophie Delafontaine)(ロンシャンのクリエイティブ・ディレクター)からの指導を受ける。

さらに、2025年のファッション・イノベーション賞は、先月すでに発表されており、循環型テキスタイルソリューションを展開するフランス・ヌヴェールの企業、ロサンジュ(Losanje)が受賞した。

【2025年ANDAMファイナリスト一覧】

グランプリおよびスペシャル賞ファイナリスト

  • メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)【受賞】
  • アラン・ポール(Alain Paul)【スペシャル賞】
  • ウィリー・チャバリア(Willy Chavarria)
  • エゴンラボ(Egonlab)
  • ゾマー(Zomer)
Alain Paul
Alain Paul

ピエール・ベルジェ賞ファイナリスト

  • ブルク・アクヨル(Burc Akyol)【受賞】
  • ジャンヌ・フリオ(Jeanne Friot)
  • モウティ(Mouty)
Burc Akyol
Burc Akyol

アクセサリー賞ファイナリスト

  • サラ・レヴィ(Sarah Levy)【受賞】
  • パンコネージ(Panconesi)
  • フィレオ(Philéo)
Sarah Levy
Sarah Levy
Losanje
Losanje

さらに、ANDAMは2025年より、受賞者およびファイナリストに対して、以下の企業によるメンタリングおよび支援を提供する体制を強化している。ビュロー・ベタック(Bureau Betak)、インスタグラム(Instagram)、ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)、オーティービー(OTB)、ダブルエスエヌ(WSN)、プルミエール・クラース(Première Classe)、メゾン・デュ・サヴォワール・フェール・エ・ドゥ・ラ・クレアシオン(Maison des Savoir-Faire et de la Création)、レ・タンチュール・ド・フランス(Les Teintures de France)といったフランスを代表する機関や企業が名を連ねている。

今年のANDAMアワードは、単なる受賞にとどまらず、すべてのファイナリストに対しても継続的な支援を行う姿勢を打ち出しており、フランスのファッションエコシステムへの統合がさらに進められていく見通しである。

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