7月4日(現地時間)、アメリカ発のデニムブランドであるゲス ジーンズ(Guess Jeans)が、アジア本土における初の旗艦店を東京の神宮前にオープンした。カルフォルニアの自由なスピリットと、日本の繊細なクラフトマンシップが調和したこの新店舗は、同ブランドにとってアジア戦略の要となる。
店舗は4階建てで、ミニマルな打ちっぱなしのコンクリートに、豊かな緑と陶芸作品を配した設計が印象的だ。植物は日本各地から厳選され、陶器はローカルのアーティストによる一点物。空間全体に「自然との共生」と「素材への敬意」が息づいている。
内装においても、外観と同じく一切の無駄を省いたシンプルかつ精緻なデザインが貫かれており、外と内を隔てない開放的な設計によって、ブランドの哲学と日本の美意識がシームレスに融合している。

新規事業開発責任者であるニコライ・マルシアーノ(Nicolai Marciano)は、日本がデザイン、イノベーション、そして文化的影響力の分野において長年にわたり世界をリードしてきたことを強調し、こうした価値観が同ブランドのDNAに深く根付いていると語った。
また、今回の東京旗艦店は単なる小売店舗ではなく、地域の新たなクリエイティブ層と直接つながるためのプラットフォームであるとし、東京にしっかりと根を下ろすことで、アジア全体における長期的な成長ビジョンの実現を目指していると述べている。

今回の旗艦店オープンに合わせ、ゲス ジーンズはブランドの40年以上にわたる歴史と革新を紹介する巡回展「ゲス ジーンズ・ザ・ネクスト・40 イヤーズ・オブ・デニム(Guess Jeans: The Next 40 Years of Denim)」の東京エディションを開催。会場は原宿駅至近のヨドバシJ6ビルで、会期は7月4日から12日まで。アメリカのルーツに始まり、ブランドが築いてきた革新的なデニム文化を、没入型の空間で表現する構成となっている。
同展は、ニコライ・マルシアーノの構想により誕生し、2024年1月にイタリア・フィレンツェで開催されたピッティ・ウオモ(Pitti Uomo)で初披露された。その後、5月にはアムステルダムに巡回し、ヨーロッパ初の旗艦店オープンを祝う記念展示としても注目を集めた。
東京展では、ゲス ジーンズが独自に開発したサステナブルなウォッシュ技術「エアウォッシュ(AIRWASH)」を象徴するストーン・インスタレーションをはじめ、デニムの制作プロセスを公開する「デニム ラボ(DENIM LAB)」、さらにはレーザー刻印やアーティストによるカスタムワークを体験できるカスタマイズエリアなど、多層的なコンテンツが展開されている。また来場者は、限定のデニムトートバッグをその場で加工し、唯一無二の一品を作り上げることが出来る。


さらに、地下フロアには、日本人アーティスト「ヴェルディ(Verdy)」がキュレーションした限定ポップアップも登場。彼自身のデザインに加え、ティー ティー ティー エム エス ダブリュー(TTTMSW)、ザ フラワーズ(The FLWRS)、ブラックミーンズ(Blackmeans)、マス(MASU)などの気鋭のブランドが集結し、限定商品を展開している。
今回の東京旗艦店オープンは、ゲス ジーンズにとってアジア戦略の重要な布石であり、グローバルな成長戦略の一環でもある。ブランドは今後、2025年内にベルリンおよびロサンゼルスでも新たな旗艦店を開設予定であり、カルチャーと連動した体験型リテールを通じて、世界各都市で存在感をさらに高めていく構えだ。
『GUESS JEANS: The Next 40 Years of Denim』 展覧会情報
- 会場:ヨドバシJ6ビル(東京都渋谷区神宮前6-35-6)
- 開催期間:2025年7月4日(金)〜7月12日(月)
- 開館時間:月〜木・日曜:11:00〜20:00/ 金・土曜:11:00〜21:00
- 入場料:無料
- 来場予約:要事前登録。来場登録はこちらから
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