ブシュロン(Boucheron)、ロサンゼルスのロデオドライブに初の旗艦店をオープン

Boucheron

フランスのラグジュアリージュエラーであるブシュロン(Boucheron)は、このほど、ロサンゼルス・ビバリーヒルズのロデオドライブ449番地に初となる旗艦店をオープンした。総面積は約492平方メートルで、米国におけるブランドの新たな展開を象徴する拠点となる。

店舗の外観では、グリーンのテラコッタ火山石による彫刻的ファサードが訪れる人々を出迎える。アイビーやシダの葉が広がるように彫り込まれたこのデザインは、自然とアールデコ様式を融合させたもので、ブシュロンが大切にしてきた審美眼が体現されてる。

店内に足を踏み入れると、まず目に入るのは床一面に広がるブランドのシグネチャーカラーであるグリーンのカーペット。その鮮やかな色合いが、まるで物語の世界への入り口を示すかのように来訪者を迎え入れる。壁面には、エメラルドカットの宝石を模した形のディスプレイケースが組み込まれており、その背景には、フランスの伝統技法である「ストローマルケトリ(藁象嵌)」が用いられている。この繊細な装飾は、ロデオドライブの街路に立ち並ぶヤシの木々を思わせるデザインとなっている。

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メインの販売スペースには、パリ、ニューヨーク、東京の店舗と同じドゥリル(Delisle)製のシャンデリアが設置されており、ブシュロンのグローバルな一貫性とアイデンティティを感じさせる。インテリアの配色にはパウダーピンクとライムグリーンを採用し、家具にはキルティングリネンを用いることで、自然との調和を意識した空間が演出されている。

店の奥へと歩みを進めると、まるで別世界に足を踏み入れたかのようなラグジュアリーな空間のVIP専用エリアが広がる。壁一面には、ブシュロンの過去の広告キャンペーンをアートのようにコラージュしたカスタム壁紙が施され、空間全体はまるでハリウッドのアフターパーティー会場を思わせるようなきらびやかさと親密さが共存している。

天井には星空を描いたファブリック、シルバーサテンのクッションをあしらったバンケットソファ、そしてピンク、ブルー、バイオレットを基調としたライティング。さらに壁面には、ブシュロンと映画界との長い関係を物語る象徴的なポートレートやジュエリーの記録写真が飾られている。たとえば、エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)の肖像とともに、彼女が1984年にスイス・グシュタード店で購入した宝石の写真。また、リタ・ヘイワース(Rita Hayworth)の写真の隣には、1948年にアリ・カーン王子(Prince Aly Khan)から贈られた、ゴールドとダイヤモンドのCol Claudineネックレスが写された一枚が並ぶ。

いずれのジュエリーも、20世紀を代表するハリウッドスターたちが愛したブシュロンの逸品であり、今もなお家族に受け継がれるかけがえのない遺産となっているに違いない。

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フレデリック・ブシュロン(Frédéric Boucheron)は1858年にブランドを創業し、1876年のフィラデルフィア万博や、1903年のニューヨーク事務所開設などを通じて、米国での認知を拡大してきた。

2023年にはニューヨークのマディソンアベニューに出店。続いてラスベガスのフォントンブロー・リゾートにもブティックをオープンしており、今回のロデオドライブ店はその流れを引き継ぐものだ。なお、次の出店地はマイアミで、2026年中頃のオープンが予定されている。

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