セッチュウ(Setchu)、初のフレグランスコレクションを発表へ

Setchu

2023年のLVMHプライズ受賞者である桑田悟史が手がけるブランド「セッチュウ(SETCHU)」が、初のフレグランスライン「セッチュウ・パフューム(SETCHU Perfume)」を発表することが明らかになった。

同コレクションは、2025年9月12日から14日にフィレンツェで開催される国際香水見本市「ピッティ・フラグランツェ(Pitti Fragranze)」にてお披露目される予定であり、セッチュウは今回のエディションにおいてスペシャルゲストとして招かれている。

セッチュウにとって香水カテゴリーへの参入は初の試みだ。発表されるのは全5種類のフレグランスで、芸術的香水の分野で知られる調香師ジュリー・マッセ(Julie Massé/マン社)との協業によって制作された。

同コレクションは、セッチュウのブランドコンセプトである「東洋と西洋の融合」を軸に、嗅覚を通して時間・記憶・感情といった要素を呼び起こす構成となっている。桑田は、「時間に追われることなく、自分を丁寧に整える静かなひとときに寄り添うような、親密で深みのある香りを表現したいと考えました。動きを感じさせながらも、澄んでいて清らか、フレッシュで透明感があり、どこか無垢で子ども時代を思い起こさせるような香りです」と語っている。

桑田はまた、クワタ氏は「東洋と西洋、それぞれの入浴文化にまつわる香りを探しながら、ケアされることや誰かを大切にするという感覚を取り戻したいと考えました。日曜の朝のように、ゆったりと時が流れ、親から受けた穏やかな愛情に包まれるような喜びを思い描きました。そして、それぞれの香りに曜日を結びつけています」ともコメントしている。

発表される5種の香りは以下の通り:

Monday 9 AM | Genmaicha(玄米茶)
Wednesday 5 PM | Yuzu(柚子)
Thursday 1 PM | Ayu(鮎)
Friday 2 AM | Tatami(畳)
Saturday 9 AM | Hinoki Buro(檜風呂)

それぞれの香りは、「曜日・時間・日本の伝統要素」というテーマで命名されており、日常生活の一場面に寄り添うように設計されている。またパッケージには、日本の茶箱から着想を得たミニマルな立方体が採用され、繊細な香りを大切に包み込むようなデザインとなっている。

ピッティ・イマージネの特別イベントコーディネーターであるフランチェスカ・タッコーニ(Francesca Tacconi)は、今回の発表について次のように語っている。

「本コレクションは、そのネーミングと香りの両面を通じて、日常の儀式や、感情のこもった懐かしい所作を呼び起こします。たとえば、小川や木のかけら、魚といった自然の記憶を思い出させるような香りです。それぞれのフレグランスは、一日のある瞬間や、ケアや喜びといった行為に結びついており、官能的でロマンティックなものから、大人びた印象のもの、子どもらしさを感じさせるもの、さらに抽象的で触覚的なものまで、非常に多彩です。どれもジェンダーの枠にとらわれない表現であり、セッチュウの香りは、相反する要素をひとつの統一された体験として美しく調和させる力を備えています。」

また、「今回のセッチュウの参加を皮切りに、私たちは“芸術的香水とファッションデザインの交差点”に焦点を当てたプレゼンテーションシリーズを開始します」とも語っており、今後の展開にも注目が集まっている。

香りという新たな領域で、セッチュウはその美学をどのように昇華させていくのか。その第一歩となる今回のコレクションが、ブランドの世界観に新たな奥行きを与えることは間違いない。

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