アマゾン創業者のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)が『Vogue』のオーナーに?浮上するコンデナスト買収報道の真相とは

Jeff Bezos and Lauren Sánchez

アマゾン創業者であり、世界屈指の資産家として知られるジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)が、再び大きな注目を集めている。話題の中心は、「イタリアのヴェネチアを丸ごと貸し切り、総額70億円をかけて行われた3日間の豪華な結婚式」ではなく、その“結婚式のあと”の話である。

世界中の富豪や著名人、ハリウッドセレブが集った夢のようなウェディングの余韻が残るなか、ベゾスが新妻ローレン・サンチェス(Lauren Sánchez)への結婚祝いとして、ファッション誌『ヴォーグ(Vogue)』を贈ろうとしている、という驚きの噂が浮上しているのだ。

この憶測の火付け役となったのが、サンチェスが今月の『Vogue』デジタル版のカバースターに起用されたことである。彼女が身にまとったのは、アナ・ウィンター(Anna Wintour)がセレクトしたドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)のウェディングドレス。さらにタイミングを合わせるかのように、ウィンターは先日、37年間務めた『Vogue』編集長の職を退くことを発表した。

これらの出来事が重なったことで、ファッション業界内外では「舞台裏で何か大きな動きが進行しているのではないか」との声が広がっている。

英紙『デイリーメール(Daily Mail)』の報道によれば、ベゾスは『Vogue』単体ではなく、同誌を擁するメディア企業コンデナスト(Condé Nast)そのものの買収を検討しているという。もし実現すれば、ベゾスは“ファッション・バイブル”のオーナーとなる。

さらに注目すべきは、ウィンター自身がこの買収交渉のキーパーソンであるという指摘だ。
同紙は次のようなコメントも伝えている。

「アナが本件の取引を仲介しているとされており、その影響でローレンが表紙に起用されたと言われています。また、アナはこの事業に出資されており、売却によって大きな利益を得る立場にあります。」

ウィンターは編集長を退いた後も、コンデナストのチーフ・コンテンツ・オフィサーおよびグローバル・エディトリアル・ディレクターという要職を継続している。一方、ベゾス側に近い人物は、「完全に事実無根」とこの噂を否定しているとも伝えられている。

とはいえ、ベゾスが出版業界に無縁というわけではない。2013年には『ワシントン・ポスト(The Washington Post)』を買収し、グラハム家による長年の私有体制に終止符を打った実績を持つ。

今回の報道についても「彼はこの買収を実行できる数少ない深い懐の持ち主なのです。そしてローレンも決してただの花嫁ではありません。彼女は非常に聡明な女性で、すでにいくつかの会話が交わされているようです」と言うような声も添えられている。

なお、コンデナストは1959年からニューハウス家(Newhouse family)が所有するアドバンス・パブリケーションズ(Advance Publications)の傘下にある非公開企業であり、これまで一貫して「売却の予定はない」との立場を崩していない。しかし、近年の世界的なレイオフの波、そしてロンドン・ハノーバースクエアの『Vogue』オフィス閉鎖とWeWorkへの移転など、組織再編ともとれる動きが噂を後押ししているのは確かである。

果たして、ジェフ・ベゾスは本当に『Vogue』を結婚祝いとして贈るのか。アナ・ウィンターがその取引を水面下で主導しているのか。そして、『Vogue』という世界的ファッションメディアの行方は、今後誰の手に委ねられるのか。一連の憶測と報道の真偽を含め、その動向からは引き続き目が離せない。

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