メリル・ロッゲがマルニ(Marni)の新クリエイティブディレクターに就任─ 創業者以来初の女性に

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7月15日(現地時間)、イタリアのファッションブランド「マルニ(Marni)」は、2025年に約10年務めたフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)の退任を受け、新たなクリエイティブディレクターとしてベルギー出身のデザイナー、メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)を迎えることを発表した。ロッゲの就任は、創業者コンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)以来、同ポジションに就く初の女性となる。

この就任に際して、ロッゲは、「マルニという、独立した精神を貫くメゾンに加わることができ、心から光栄に思います」と声明で述べ、「歴代の先見的なクリエイティブディレクターたちが築いてきた役割を引き継ぐことは、謙虚な気持ちを呼び起こすと同時に、大きな刺激でもあります。レンツォとステファノが、私とマルニの世界観の共鳴を見出し、この素晴らしい機会を託してくださったことに深く感謝しています。マルニの次なる章を共に形作っていけることを楽しみにしています」と喜びを伝えた。

ロッゲはアントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、2008年から2015年までマーク ジェイコブス(Marc Jacobs)のデザインチームでキャリアを積み、その後ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)にてウィメンズ部門の責任者を務めた。2020年には自身の名を冠したブランド「メリル・ロッゲ(Meryll Rogge)」を設立し、実用性と大胆な色使いを融合させたデザインで高く評価されてきた。

2024年にはベルギーファッションアワードで「年間最優秀デザイナー」を受賞し、同賞で初の女性受賞者となったほか、今年6月には、フランスの権威あるANDAMグランプリも獲得。30万ユーロの賞金に加え、LVMH会長兼CEOベルナール・アルノー(Bernard Arnault)のシニアアドバイザーであり、フランス国立ファッション学院(IFM)会長も務めるシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)による1年間の個別メンタリングが提供されている。

マルニを傘下に持つOTBグループの会長、レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)は「マルニは今もなお、世界中の才能あるクリエイターたちを魅了し続けています。メリルは、ブランドのDNAを再解釈するにあたっての繊細な感性と、アクセサリー、インテリア、コミュニケーション、特別プロジェクトにまで広がる包括的な現代的ビジョンを示してくれました」と語った。

また、マルニCEOのステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)も「メリルをマルニに迎えることができ、大きな喜びです。彼女は卓越した創造力とインスピレーションを持つ女性であり、そのビジョンと専門性は、この素晴らしいブランドの未来を形作る鍵となるでしょう」とコメントしている。

ファッション業界では現在、主要ブランドでクリエイティブディレクターの交代が相次いでおり、この1年で17人が就任。しかし、その中で女性は、わずか4人にとどまっている。それが故、ボッテガ ヴェネタ(Bottega Veneta)のルイーズ・トロッター(Louise Trotter)、ジバンシィ(Givenchy)のサラ・バートン(Sarah Burton)と、カルバン クライン(Calvin Klein)のヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)に続くロッゲの就任は、男女比の偏りが強い業界のバランスを見直す動きとしても、注目を集めている。

なお、現時点で、マルニにおけるロッゲのデビューコレクションの発表時期は明かされていない。

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