ラグジュアリー・ビューティーとファッションを牽引するスペイン企業「プーチ(Puig)」が、自社の110年以上にわたる歩みと創造性の精神をまとめた書籍『Puig, Home of Creativity』の刊行を発表した。発売元は、1964年創業のニューヨークの老舗出版社リッツォーリ(Rizzoli)で、発売日は2025年9月2日を予定している。
1914年にバルセロナで創業されたプーチは、家族経営企業としての価値観を継承しながら、2024年には株式上場を果たし、世界的なビューティー&ファッション企業へと進化を遂げてきた。本書では、その成長の軌跡を、創業者一族のストーリーやブランドの世界観、そして多彩なビジュアルとともに立体的に描き出している。
特に注目すべきは、プーチが擁するブランド群、ラバンヌ(Rabanne)、キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)、シャーロット ティルブリー(Charlotte Tilbury)、ジャン=ポール ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)、バイレード(Byredo)、ニナ リッチ(Nina Ricci)などの革新性に迫る内容だ。たとえば、ラバンヌを象徴するメタリック・チェーンメイルの表現、ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)が自身の庭園から受けたインスピレーション、バイレードが進めてきたアーティストとのコラボレーションなど、ブランドごとの独自性を伝えるストーリーが、アーカイブ資料や新たに撮影された写真とともに紹介されている。


また、ブランド創業者やディレクターへのインタビューも収録されており、シャーロット・ティルブリーとジャン=ポール・ゴルチエの言葉を通じて、それぞれのブランドに宿る哲学と美学が浮かび上がる。
書籍には、ニッチフレグランスの戦略的価値についても言及されており、現在のビューティー市場におけるポジショニングの重要性が語られている。さらに、プーチが支援するウィメンズ・アメリカズカップ(Puig Women’s America’s Cup)についての特集もあり、同社が重視するイノベーション、多様性、サステナビリティの精神を具体的に伝えている。

プーチ会長兼CEOであるマーク・プーチ(Marc Puig)は、本書に寄せて次のように述べている。
「この書籍は、私たちが誇りを持って“創造性の拠点(Home of Creativity)”と呼ぶプーチという企業への賛辞であり、築いてきたレガシー、“Love Brands”を支える人々とその情熱、そして創業以来のレジリエンスに対する敬意です。私たちが“価値観に根ざし、目的を持って進化し、長期的視野で未来を築く企業”であることを、この一冊が体現しています。」
また、編集を務めたリッツォーリ・ニューヨークの編集ディレクター、キャサリン・ボニファッシ(Catherine Bonifassi)は、次のように語っている。
「書籍づくりは長く、野心的なプロセスです。その中で直面する困難や驚き、創造的な決断を通して、一緒に働く人々の本当の人間性が見えてきます。こうしたやり取りの中で、ブランドの本質的な価値観や、関わる人々の創造力、寛容さ、献身、大胆さが浮かび上がるのです。プーチとそのコミュニティの卓越性を称えます。この本に関わることができて、本当にやりがいのある経験でした。」
さらに、本書には、アリス・キャヴァナー(Alice Cavanagh)、マイケル・エドワーズ(Michael Edwards)、ジャン=クロード・エレナ(Jean-Claude Ellena)、レティシア・サラ(Leticia Sala)、アナチュー・サバルベアスコア(Anatxu Zabalbeascoa)ら、ジャーナリズムや文学、調香の世界で著名な人物たちの寄稿も含まれている。彼らの多様な視点が織りなす文章が、プーチという企業の創造的かつ多層的な姿を描き出している。
『Puig, Home of Creativity』は、リッツォーリの公式サイト(www.rizzoliusa.com)にて予約受付中。世界各国の一部書店では2025年9月2日より順次発売される予定だ。
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