7月16日(現地時間)、スペインのラグジュアリービューティ企業プーチ(Puig)が、2025年第2四半期(4〜6月)の業績を発表した。売上高は10億9300万ユーロ(約12億7000万ドル)となり、前年同期比で7.7%の実質成長(LFLベース)を記録。報告ベースでは3.9%の増加となり、為替の逆風(-3.8%)を差し引いても安定した成長を示した。
第2四半期は特にメイクアップ部門の回復が際立った。前年同期比で10.5%の実質成長(+7.4%報告ベース)を遂げ、シャーロット ティルブリー(Charlotte Tilbury)による「Super Nudes」や「Unreal Blush」などの新製品投入が奏功。メイクアップ部門の売上は1億7400万ユーロに上った。
主力のフレグランス&ファッション部門では、前年同期比6.7%の実質成長(+2.4%報告ベース)を達成し、売上は7億8800万ユーロ。カテゴリー全体では成長ペースの鈍化が見られたもの、キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)の新作フレグランス「La Bomba」のプリローンチや、バイレード(Byredo)の2桁成長が寄与した。
スキンケア部門も堅調で、売上は1億3100万ユーロ。ユリアージュ(Uriage)を中心に、前年同期比10.2%の実質成長(+8.3%報告ベース)を遂げた。
地域別では、アジア太平洋(APAC)市場が+19.5%の実質成長と最も高く、韓国や日本市場での拡大、ローカルプロモーション強化が奏功している。アメリカ地域も+10.0%と好調。一方、EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域は+3.5%にとどまったが、依然としてプーチ全体の過半の売上を占める結果となっている。
プーチの会長兼CEOのマルク・プーチ(Marc Puig)は、声明の中で「すべての事業・地域において力強い実績を上げ、グローバルビューティ市場の変化の中でも当社のポートフォリオの健全性と回復力を証明しました。フレグランスは数四半期にわたる好調な成長の後も健全な伸びを維持しており、Q2でのメイクアップの回復も心強いものです」とコメント。また、通期の売上見通しとして6〜8%の実質成長を維持する方針を示し、調整後EBITDAマージンのさらなる拡大にも自信を見せている。
ジャン ポール ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)、キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)、バイレード(Byredo)などのラグジュアリーフレグランスブランドを擁するプーチは、現在150か国以上で事業を展開し、32か国に拠点を構える。また、2024年の年間売上は47億9000万ユーロに達し、グローバルビューティ市場における影響力を急速に拡大させている。
なお、2025年8月1日以降、EUからの輸入品に対して最大30%の追加関税が課される可能性が報じられており、今後の焦点は、こうした米国の通商政策が業績に及ぼす中長期的な影響に加え、急成長を遂げるアジア市場への戦略的対応に移っていく。これらの要素が、同社の成長軌道を左右する重要なカギとなるだろう。
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