ブルガリ（Bvlgari）、大規模展覧会「カレイドス色彩・文化・技巧」を東京の国立新美術館にて開催

ローマを代表するハイジュエラー、ブルガリ（BVLGARI）が、日本での大規模展覧会「ブルガリカレイドス色彩・文化・技巧」を2025年9月17日（水）から12月15日（月）まで、東京・国立新美術館にて開催する。

10年ぶりの開催となる同展は、約350点におよぶジュエリーやアーカイブ資料、現代アートの作品を通して、ブルガリが創り上げてきた「色彩の芸術」の本質に迫る内容となっている。

万華鏡のようにめくるめく、色彩・文化・技巧の旅

展覧会タイトルの「カレイドス」は、ギリシャ語で「美しさ（カロス）」と「形（エイドス）」に由来し、ブルガリの色彩美学と創造性の世界を象徴する言葉。ジュエリーを通じて、文化、クラフツマンシップ、そして自然界の色の魅力が多角的に表現される。

同展では「色彩の革命」を、「色彩の科学」、「色彩の象徴性」、「光のパワー」という3つの章で構成しており、展示される約350点の作品は、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションと世界中の個人コレクターから厳選されたものだ。メゾンの創業から現代に至るまでの軌跡と、イタリアと日本の美意識の交差を映し出す。

第1章「色彩の科学」

第1章「色彩の科学」では、色彩の視覚的・科学的な効果をジュエリーの構成要素から読み解く。代表作には、1940年頃の《ブレスレット》（シトリン×ダイヤモンド）、1954–55年の《バングル》（サファイア×ルビー×ダイヤモンド）、1968年の《ビブネックレス》や《ペンダントイヤリング》（ターコイズ、アメシストなどを用いた作品）が並ぶ。

第2章「色彩の象徴性」

第2章「色彩の象徴性」では、色が持つ文化的意味や感情的な力に着目。象徴的なエメラルドジュエリー《ネックレス》（1961年）は、かつて東京でも展示された伝説の「セブン・ワンダーズ」が再登場する。

第3章「光のパワー」

第3章「光のパワー」では、素材の反射と光の作用をテーマに、宝石と金属が織りなす輝きを探求。1969年頃制作の《コンバーチブル・ソートワール＝ブレスレット》や、《セルペンティ》イブニングバッグ（1978年）といった作品がフィナーレを彩る。

アートとの対話──現代アーティスト3名による色彩表現

さらに展覧会では、3名の女性アーティストによる新作が特別に展示され、ブルガリの色彩世界が、現代アートとも共鳴する。

ララ・ファヴァレット《レベル5》：回転するカラフルな洗車ブラシが色とリズムの動きを表現。
森万里子《Onogoro Stone III》：古代神話と宇宙観に基づいたミニマルな瞑想空間。
中山晃子《Echo》：水、音、顔料によるプロジェクションで“生きた絵画”を創出。ブルガリのハイジュエリーとの共鳴も見どころ。

イタリアと日本、アートと建築の出会い

なお、会場デザインは、ブルガリ、妹島和世と西沢立衛が主宰する日本の建築家ユニット「SANAA」、イタリアのデザインユニット「フォルマファンタズマ」が共同で担当。古代ローマのモザイクや東京のイチョウの葉を着想源とし、イタリアと日本のクラフツマンシップが交差する空間となっている。

ブルガリグループCEO ジャン・クリストフ・ババン（Jean-Christophe Babin）は、同展の開催に際し「ブルガリは、色の持つ物語を語り、時代を超越する力を常に信じてきました。ブルガリの豊かな伝統を祝うこのたびの「カレイドス」展は、ブルガリの名声を高めた自然からの贈り物である壮麗な宝石をはじめ、文化、クラフツマンシップ、そして自然が創り出す類まれな色彩への情熱の融合を、展示される全てのジュエリーが体現しています」と語る。

時代や国境を越えて交差する色彩と創造性の旅を、ぜひその目で確かめてほしい。東京でしか味わえない“カレイドス”の世界が、訪れるすべての人の感性に鮮やかな余韻を残してくれるだろう。