LVMH モエ ヘネシー ルイ ヴィトン( LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton)のウォッチ&ジュエリー部門で長年にわたりイノベーションを主導してきたカティア・ド・ラステリエ(Katia de Lasteyrie)が、このほど、ハイジュエリーのクラフツマンシップと最先端テクノロジーを融合させた“静かなテックジュエリー”「スペクトラル(SPKTRL)」を立ち上げた。ブランド第1弾として発表されたのは、音やスクリーンではなく“色”によって通知を伝える、これまでにないコンセプトのリングである。
CVD製法のラボグロウンダイヤモンドを使用したこのリングは、スクリーンを持たないデザインが特徴だ。ミニマルな専用アプリと連動し、ユーザーが重要とみなす通知だけをカラーで受け取れる仕組みとなっている。たとえば、愛する人からのメッセージは淡いブルー、仕事に関する重要な通知は鮮やかなマゼンタといった具合に、ユーザーが自由に意味づけできる仕様だ。

ド・ラステリエはこのプロダクトについて、「私たちのテクノロジーは、スマートフォンに取って代わることや、行動を加速させることを目的としているのではありません。本来の目的は、ユーザー自身が自らの時間と集中力を取り戻すための手助けをすることにあります」と説明。
「このリングにおいて、“石”がインターフェースとなり、“色”がコミュニケーションの言語となります。ユーザーひとり一人に合わせてパーソナライズされ、重要なメッセージだけを、その人の時間と意識を尊重する形で伝える、まったく新しい方法なのです」と述べている。

リングの外観はあくまでハイジュエリーであり、ヴァンドーム広場の伝統的なジュエリーデザインと並んでも違和感がないクオリティを実現。その一方で、内部にはAI対応の通知機能が密かに埋め込まれており、まさに“静かなテクノロジー(Quiet Tech)”を体現したジュエリーだ。
デザインを優先したジュエリーでありながら、スマートウォッチの登場が時計業界に革新をもたらしたように、スペクトラルは、ジュエリーの世界に新たなカテゴリーを創出する可能性を秘めている。

ド・ラステリエは、LVMH時代にルイ ヴィトン(Louis Vuitton)のハイジュエリーやインタラクティブ・オブジェクトの開発に携わり、テクノロジーと感性の交差点を探求し続けてきた。彼女がスペクトラルを通して示すビジョンは、ジュエリーがただ装飾品として存在するのではなく、現代人の暮らしの中で意味あるコミュニケーションを担う道具となる未来である。
リングはフランス製で、素材にはチタンと高精度メタルを使用。プレオーダーは2025年秋に開始予定で、価格は1,000ユーロからを見込んでいる。製品の詳細や予約は、公式サイトから確認できる。
Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.