リスト インデックス(Lyst Index) 2025年第2四半期のランキングを発表:ミュウミュウが首位に返り咲く

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7月30日(現地時間)、世界最大級のファッション検索プラットフォームである「リスト(Lyst)」が、2025年第2四半期の「リスト・インデックス(Lyst Index)」を発表した。このランキングは、年間1億6000万人以上のショッピングデータと、ソーシャルメディア上のアクティビティ、エンゲージメントを元に構成されるもので、毎シーズン、世界中のファッション関係者が注目する指標となっている。

今期のトップブランドには、ミュウミュウ(Miu Miu)が返り咲いた。2024年秋冬から続く勢いを保ち、ロゴ入りスエードローファーのヒットがブランド全体の人気を後押し。このローファーは「プレッピーな懐かしさと現代的エッジの融合」ともいえるデザインで、各市場で“新学期”を思わせるようなムードを喚起した。

ブランド別ランキングでは、前期まで首位だったロエベ(Loewe)が2位に。ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の退任を背景にポジションを一つ下げたが、5月に発表した「パズルバッグ10周年コレクション」や、「パウラズ・イビザ」シリーズのプロモーションで使用されたトマトバッグ型熱気球など、話題性のあるキャンペーンを継続的に展開している。

3位にはサンローラン(Saint Laurent)、4位にプラダ(Prada)、5位にコーチ(Coach)がランクイン。6位には、今回プロダクトランキング1位にも輝いたザ ロウ(The Row)が入り、同ブランド史上初の快挙となった。7位以下はコス(COS)、クロエ(Chloé)、ボッテガ ヴェネタ(Bottega Veneta)、モンクレール(Moncler)と続く。

また、バーバリー(Burberry)が、1年ぶりにブランドランキング17位に再登場。今季は、UKカルチャーを背景にした“クール・ブリタニア”ムードの再燃に乗り、音楽フェスティバルを軸としたキャンペーンが功を奏した。バーバリーならではのブリティッシュな世界観とタイムレスなデザインが共鳴し、再び注目ブランドとしての存在感を取り戻したようだ。

今期もっとも熱かったアイテムは「フットウェア」

また、同時に発表された2025年第2四半期のプロダクトランキングでは、10アイテム中6つがシューズという結果に。その中で1位に選ばれたのは、ザ ロウ(The Row)の「Dune サンダル」だ。リストでは「かつてのベーシックなサンダルが、バイラルな可視性を通じてファッション性の高い夏の主役となりました。シンプルさもスタイリング次第で強い存在感を持ちうることの証明です」と、その影響力について言及している。

2位はスキムス(SKIMS)の白いタンクトップ。TikTokを中心とした“ベーシック回帰”トレンドを反映し、検索数は今期だけで230%増となった。3位にはアディダス(Adidas)の「Adicolor スプリンター ショーツ」がランクイン。1970年代に登場したこのスタイルは、ハリー・スタイルズ(Harry Styles)やベラ・ハディッド(Bella Hadid)の着用により再評価され、第2四半期の需要は121%増加した。

さらに、4位にはミュウミュウのフェイデッドスエードローファー、5位にはビブラム(Vibram)のV-Soulシューズが登場。後者は「機能性とファッション性の融合」という第1四半期からの継続トレンドを裏付けるものでもある。

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バッグはプロダクトではなく“ブランド価値”に貢献

今期、もうひとつ注目すべきなのは、これまでランキング常連だったラグジュアリーバッグが、トップ10プロダクトから完全に姿を消した点だ。2018年のリスト・インデックス創設以来、バッグが一度もランクインしなかったのは今回が初めてとなる。

Labubu(ラブブ)をはじめとするバッグチャーム人気が続くなかで、バッグそのものの存在感が薄れたわけではない。むしろ、多くのブランドにとってバッグは、依然としてブランド価値や認知を押し上げる重要な要素となっている。

たとえばコーチは、カミラ・モローネ(Camila Morrone)やベラ・ハディッドの愛用により「タビー(Tabby)」や「ブルックリン(Brooklyn)」バッグの注目度が急上昇。また、16位のヴェルサーチェ(Versace)は、サブリナ・カーペンター(Sabrina Carpenter)を起用した「La Vacanza」キャンペーンでミニ・タグバッグをフィーチャーし話題となった。20位のヴァレンティノ(Valentino)も、2025年秋コレクションのキーバッグを主役に据えた新キャンペーンを展開している。

第3四半期に向けた注目:新クリエイティブたちのデビュー

なお、9月には、複数のメゾンで新任クリエイティブ・ディレクターによるデビューコレクションが予定されており、次回の第3四半期リスト・インデックスに大きな変動が生じる可能性がある。ブランドの勢力図がどのように塗り替えられ、どのプロダクトが“ホット”な存在となるのか、注視したいところだ。

「影響力あるポジションに新たな視点が加わることで、第3四半期は新時代の幕開けとなり、オンライン上で消費者の注目と想像力をとらえるまったく新しいブランドとプロダクトが登場するかもしれない」と、リストも示唆している。

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