イタリアのラグジュアリーブランド、ブルガリ(Bvlgari)は、このほど、ヴァレンツァの自社マニファットゥーラ(製造工房)内に、ジュエリー製作に特化した初の教育機関「スコーラ・ブルガリ(Scuola Bvlgari)」を開校した。同スクールは、全ての応募者に門戸を開き、ジュエリー分野の職人育成を目的とした包括的なカリキュラムを提供する。
このスコーラ・ブルガリは、タリ・デザイン・スクール(Tarì Design School)との協業により設立され、欧州基準に準拠した理論と実践の両面からの教育が受けられるのが特徴だ。授業は業界最先端の設備を備えたモダンな教育空間で行われ、講師には熟練の金細工職人や有資格のプロフェッショナルが名を連ねる。
開講されるのは「金細工コース(The Goldsmithing Course)」と「宝石セッティングコース(The Setting Course)」の2つ。いずれも2025年9月にスタートし、平日の午前8時30分から午後1時30分まで行われる。
金細工コースでは、金属の曲げ、フライス加工、はんだ付け、レーザーカット、透かし彫り、留め具と覆輪の作成、リングとブレスレットのサイズ調整、ワックスモデリング、研磨、ロストワックス鋳造といった多岐にわたる技術を体系的に習得できる。トレーニングは2027年4月まで継続し、合計1,680時間に及ぶ予定である。
一方の宝石セッティングコースは、600時間のプログラムで2026年6月に終了予定。パヴェ、ベゼル、バーニッシュ、チャネル、プロング、クロウといった各種セッティング技法に加え、宝石学の基礎知識や石の特徴についての理論教育も行われる。現場で求められる精密さと美的感覚の両立を目指す内容だ。


なお、スコーラ・ブルガリは、2017年に創設された社内研修制度「ブルガリ・ジュエリー・アカデミー(Bvlgari Jewelry Academy)」を母体とする。新卒採用者を対象としたアカデミーに対し、今回のスクールはより開かれた学びの場として、広く次世代職人の育成を目指す拡張的な取り組みとなっている。
また、多様性と社会包摂へのコミットメントも表明しており、難民や庇護申請者を対象とした「Refugee Program」の一環として、言語・文化的サポートと職業訓練を組み合わせた支援プログラムも導入。2024年6月には国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)より「Welcome. Working for Refugee Integration」認定ラベルを取得した。
ヴァレンツァの製造拠点では、32か国以上の国籍を持つ職人たちが働いており、ブルガリの「メイド・イン・イタリー」の精神を未来に継承していくための拠点として、このスクールの存在意義は大きい。
ブルガリは、このスクールについて「スコーラ・ブルガリは、イタリアの金細工の芸術的伝統と最先端の技術を融合させ、それを未来へと投影するものです」と伝えている。
スコーラ・ブルガリへの入学問い合わせは、公式サイトのアプリケーションフォームから。
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