カナダのギルダン・アクティブウェア(Gildan Activewear)、米ヘインズブランズを22億ドルで買収へ

HanesBrands

8月13日(現地時間)、カナダの大手アパレルメーカー「ギルダン・アクティブウェア(Gildan Activewear Inc.)」は、米国の下着・インナーウェア大手ヘインズブランズ(HanesBrands Inc.)を22億ドル(現金および株式)で買収することで合意した。負債を含めた取引総額は約44億ドルとなり、2025年末から2026年初頭にかけての完了を見込む。

ギルダンは、自社ブランドギルダン(Gildan)に加え、アメリカンアパレル(American Apparel)やペッズ(Peds)などを展開しており、今回の買収により、ヘインズ(Hanes)、メイデンフォーム(Maidenform)、バリ(Bali)など、世界的に認知度の高いブランドを傘下に収める。

年間2億ドル超のコストシナジーを見込む

これによりギルダンは、買収後3年以内に年間2億ドル以上のコストシナジーを創出できると予測。内訳は2026年に約5,000万ドル、2027年に約1億ドル、2028年に再び約5,000万ドルとしており、サプライチェーンやオペレーション、販売管理費(SG&A)領域での効率化が中心となる。調整後希薄化後EPSへの寄与は取引完了直後から見込まれ、3年間の年平均成長率は20%台前半になると予想されている。

ギルダン社長兼CEOのグレン・J・チャマンディ(Glenn J. Chamandy)は声明で「今日はギルダンの歩みにおける歴史的な瞬間です。ヘインズブランズのチームをギルダンファミリーに迎え入れることを非常に嬉しく思います。この取引で当社の売上は倍増し、他と一線を画す規模を達成できるでしょう」とコメント。

またチャマンディは、ヘインズブランズとの統合によって、「伝統ある『ヘインズ』ブランドのアクティブウェア分野での存在感をあらゆるチャネルで拡大し、さらにギルダンのブランド群の小売展開力を強化できる」と述べた。また、自社が誇る最先端かつ低コストの垂直統合型プラットフォームを活用し、効率化とイノベーションのさらなる推進を図る考えを示したうえで、この次なる成長段階に大きな期待を寄せつつ、顧客への支援と長期的な株主価値の創出に引き続き注力していく姿勢を強調した。

ヘインズブランズの現状と再編

ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムに本社を置くヘインズブランズは、過去3年間連続で売上が減少し、2021年以来通年で黒字を計上していない。昨年にはスポーツウェアブランド「チャンピオン(Champion)」をオーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group)に12億ドル超で売却。今年2月にはターゲット(Target)との複数年契約を発表し、同ブランドの商品展開を今月から開始している。

ヘインズブランズ最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ブラットスパイズ(Steve Bratspies)は、「この取引は、品質・革新性・卓越性に対する両社の強いコミットメントが見事に一致したものだと考えています。私はギルダンの製造力と長年の成功実績を高く評価しており、今後はヘインズブランズの主要インナーウェアブランド群や市場展開力をさらに拡大し、成長と影響力の新たな道を開くことを楽しみにしています」と語る。

また、ギルダン取締役会会長のマイケル・ニーランド(Michael Kneeland)は、「この取引はギルダンの歴史における極めて重要な節目になります。『ヘインズ』は誇るべき歴史を持つ著名ブランドであり、ヘインズブランズとの統合により、両社の強みを基盤とする卓越した組織を築くことができるでしょう。双方の優れたチームとベストプラクティスを活かし、お客様と株主に卓越した価値を提供できると確信しています」と述べた。

なお、同取引では、ヘインズブランズ株主は同社普通株1株につきギルダン普通株0.102株と現金0.80ドルを受け取ることとなる。買収完了後、ヘインズブランズ株主はギルダン株の約19.9%を保有する予定だ。

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