ミュウミュウ(Miu Miu)は、ロレアル(L’Oréal)とのライセンス契約後、初となるフレグランス「ミューティン(Miutine)」を8月20日(現地時間)に正式にローンチする。ミューズには、ブランドのアンバサダーを務める英俳優エマ・コリン(Emma Corrin)を起用し、世界市場で展開が始まる。
「ミューティン」という名称は、フランス語の“mutine(反逆者)”に由来している。マスターパフューマーのドミニク・ロピオン(Dominique Ropion)が調香を手掛け、シトラスの鮮やかさ、フローラルのハート、オークモスやパチョリによるアーシーなベースを組み合わせた構成に仕上がっている。さらに、ワイルドストロベリーやブラウンシュガーのアコードを加えることで、従来のシプレ構造を“転覆”させ、グルマンかつ親密な香りが生み出されている。
ボトルデザインは、ミュウミュウの象徴的なマトラッセレザーにインスパイアされたマトラッセ調ガラスを採用。トフィー色のフラコンにブラック&ホワイトのラベルが配され、クラシックかつモダンな印象を放つ。価格帯は10ml 36ドルから100ml 172ドルまで。同社の関係者は初年度の小売売上を1億5,000万ユーロと見込んでいるようだ。
エマ・コリンが体現する自由な精神
ミュウミュウのアンバサダーを務め、ゴールデングローブ賞を受賞した俳優エマ・コリン(Emma Corrin)は、Netflixシリーズ『ザ・クラウン(The Crown)』でのダイアナ妃役によって世界的に脚光を浴びた。その後も『マイ・ポリスマン(My Policeman)』『チャタレイ夫人の恋人(Lady Chatterley’s Lover)』といった映画に出演し、近年ではロバート・エガース監督による注目作『ノスフェラトゥ(Nosferatu)』にもキャスティングされている。また、2023年にはFX/Huluドラマ『マーダー・イン・ザ・ワールドエンド(A Murder at the End of the World)』で主人公を務め、幅広いジャンルで存在感を発揮した。また、ノンバイナリーとして自身のアイデンティティを公表しており、ジェンダーの枠を超えた表現やスタイリングでファッション界からも高く評価されている。
コリンはミューティンについて、「この香りは、私自身や他者において最も大切で尊敬している要素、つまり反逆、表現、独自性を表しています。自由な精神を持つ人のための香りです」と語っている。
また、同製品のキャンペーン「What – or who – is Miutine?」は、サンダンス映画祭審査員賞を受賞した映画監督ヘイリー・ベントン・ゲイツ(Hailey Benton Gates)が監督を務め、8月20日(現地時間)に公開される予定だ。

ミュウミュウは2013年以降、コティ(Coty)との契約のもとで香水を展開してきたが、2024年にプラダ・グループ(Prada Group)がロレアルと長期的なライセンス契約を締結。これにより、同グループはフレグランスやビューティラインの本格的な開発へと大きく舵を切った。同年にはプラダ ビューティがスキンケアとメイクアップ市場に参入しており、グループ全体としてビューティ事業の強化に向けた姿勢をいっそう鮮明にしている。
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