フランスのラグジュアリーブランド「ジバンシィ(Givenchy)」が、クリエイティブディレクターに就任したサラ・バートン(Sarah Burton)による初のキャンペーンを発表した。同キャンペーンは、世代や体型を超えた女性を称えると同時に、ブランドを支えるクリエイティブチームの姿も映し出している。
撮影はフォトグラファーのコリア・ショー(Collier Schorr)が担当し、スタイリングは長年の盟友であるカミラ・ニッカーソン(Camilla Nickerson)が手掛けた。さらに、メイクアップアーティストのルチア・ピエローニ(Lucia Pieroni)、ヘアスタイリストのオリヴィエ・シュヴァルダー(Olivier Schawalder)、ネイリストのアマ・クワシー(Ama Quashie)、キャスティングのジェス・ハレット(Jess Hallett)らも参加。制作に携わったクリエイターたちがモデルと並んで登場する点が、このキャンペーンならではの特徴となっている。

サラ・バートンは今回のキャンペーンについて、プレスリリースで次のように述べている。「私をインスパイアするのはすべての女性──チームも含めてです。キャストの中に共に働く素晴らしい女性たちを加え、みんなで協力するリアルな瞬間をとらえたいと思いました。」
キャンペーンのクリエイティブ・ディレクションはフェルディナンド・ヴェルデリ(Ferdinando Verderi)が担当。映し出されているのは、従来の“手の届かないラグジュアリー”ではなく、アイデアを共有し、笑い合いながら作品を作り上げるスタジオの空気だ。バートンが重視する「ファッションはコミュニティである」という姿勢が色濃く反映された。
モデルにはアドゥート・アケチ(Adut Akech)、ヴィットリア・チェレッティ(Vittoria Ceretti)、ニャドゥオラ・ガブリエル(Nyaduola Gabriel)、カイア・ガーバー(Kaia Gerber)、エヴァ・ハーツィゴヴァ(Eva Herzigova)、エメリン・オロ(Emeline Hoareau)、リウ・ウェン(Liu Wen)が起用。彼女たちはブランドのアーカイブを未来的に再解釈したルックを纏い、自然な笑顔や仕草を見せている。
ルックには、シャープなテーラリング、重ねたレザーアウター、透け感のあるイブニングドレス、そして話題を呼んだ「メイクアップコンパクトドレス」が登場し、バートンらしいフェミニニティとシュルレアリスムの融合が表現される。


サラ・バートンは今年3月に、パリ ファッションウィークでジバンシィでの初コレクションを披露。ユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)が1952年に発表した初のコレクションの原点に立ち返り、構築的なシルエットやカットの美しさ、そしてアトリエのクラフツマンシップに新たな息吹を吹き込んだ。さらに、モダンなフェミニニティを映し出すディテールや多様な女性の魅力を讃えるデザインで、ジバンシィの未来へと続く新たな可能性を示した。
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