オラプレックス(Olaplex)、バイオテクノロジー企業パーヴァラ バイオサイエンス買収で研究開発を強化

Olaplex

8月26日(現地時間)、カリフォルニア発のヘアケアブランド「オラプレックス(Olaplex Holdings, Inc.)」は、ボストンを拠点とするバイオテクノロジー企業「パーヴァラ バイオサイエンス(Purvala Bioscience)」の買収を発表した。創業から10年以上にわたり業界に革新をもたらしてきた同社にとって、これは初の企業買収となる。

パーヴァラ バイオサイエンスは2020年にブラッドリー・オルセン(Bradley Olsen)、ジャスティン・パローニ(Justin Paloni)両博士らによって設立され、自然界の生体構造から着想を得た分子設計を通じて、ヘルス&ビューティ領域で応用可能な技術を開発してきた。また、オルセン博士はマサチューセッツ工科大学(MIT)の化学工学教授も務めている。

一方、オラプレックスは創業以来、毛髪の結合(ボンド)を補修・強化・再結合させる革新的な技術を核として、サロン発のプロフェッショナルブランドとして成長してきた。2021年には株式公開を果たし、現在は71%という高い粗利益率を維持。時価総額は約9億4,100万ドル(約1,380億円)規模で、株価は直近1週間で12%上昇するなど投資家からの期待も高まっている。

今回の買収について、オラプレックスCEOのアマンダ・ボールドウィン(Amanda Baldwin)は次のようにコメントしている。

「オラプレックスは創業当初から、革新的なボンドテクノロジーによってスタイリストやその顧客が変革的な結果を得られるよう支援することを理念としてきました。科学的なブレークスルーこそが私たちを鼓舞し続けており、スタイリストのコミュニティや消費者に最高の製品を届けることに尽力しています。これまでの取り組みはすでに業界に大きな影響を与えてきましたが、パーヴァラと共に、特許技術である『Bis-amino(ビスアミノ)』と並んで、次世代の科学的裏付けに基づく破壊的な製品イノベーションを生み出す可能性を秘めていると信じています」

この買収額は非公開だが、業界関係者の間ではオラプレックスの研究開発体制をさらに強化する戦略的ステップと見られている。2025年に入り、美容業界では大型買収が相次いでおり、ロレアル(L’Oréal)による「カラー ワオ(Color Wow)」や「メディケイト(Medik8)」の買収、ユニリーバ(Unilever)による「ドクター スクワッチ(Dr. Squatch)」「ワイルド(Wild)」の取得、さらにエルフ ビューティー(e.l.f. Beauty)によるヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)のブランド「ロード(Rhode)」の10億ドル買収など、業界全体がM&Aを通じて勢力を拡大する動きが鮮明だ。

オラプレックスは、今回のパーヴァラ買収を通じて「次世代の破壊的な科学的裏付けに基づく製品イノベーション」の創出を掲げている。ボンドビルディング技術とバイオインスパイア技術の融合が、今後のヘアケア市場にどのような変革をもたらすのかが注目される。

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