PVHコープ、2025年第2四半期決算を発表― 売上4%増で市場予想を上回る

Calvin Klein

8月26日(現地時間)、カルバン クライン(Calvin Klein)やトミー ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)を擁するPVHコープ(PVH Corp.)は、2025年第2四半期決算を発表した。売上高は前年同期比4%増の21億6,700万ドルと市場予想を上回り、調整後1株利益(Non-GAAPベース)は2.52ドルと、事前ガイダンスの1.85〜2.00ドルを超える水準を記録した。

カルバン クライン(Calvin Klein)は、アンダーウェアとデニムが好調で、売上は前年同期比5%増を記録。特に、バッド・バニー(Bad Bunny)を起用したキャンペーン効果で「コットンストレッチ」シリーズが世界的に伸長した。

一方、トミー ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)は、ブラッド・ピット(Brad Pitt)とダムソン・イドリス(Damson Idris)が出演する映画『F1』とのタイアップやスポーツチームとのパートナーシップにより、売上を4%押し上げている。

また、地域別では、アメリカ市場は卸売の拡大により11%増と好調だったが、アジア太平洋は中国の消費低迷により1%減少。欧州・中東・アフリカは3%増を示したものの、為替影響を除くと3%減となった。

最高経営責任者(CEO)のステファン・ラーソン(Stefan Larsson)は、「第2四半期においては、PVH+プランを規律正しく実行することで、カルバン クラインとトミー ヒルフィガーという象徴的なブランドの力を一層強化し、売上を4%伸ばすことができました」とコメント。

最高財務責任者(CFO)のザック・コフリン(Zac Coughlin)は、「第2四半期では、PVH+プランを次の段階へと進めるべく注力し、その結果、売上とEPSの両面でガイダンスを上回る成果を収めることができました。これは、粗利益率の改善やオペレーション効率化の取り組みが奏功したものであり、不透明なマクロ経済環境が続くなかにあっても、ブランド構築への投資を強化しつつ、通期におけるNon-GAAPベースでの利益見通しを維持してまいります」と述べた。

PVHは2025年度通期について、売上見通しを「横ばいから小幅増加」から「小幅増加から低い一桁台の伸び」へと上方修正。営業利益率はNon-GAAPベースで約8.5%を維持し、EPSも10.75〜11.00ドルと従来予測を据え置いた。 また、米国への輸入関税による1株あたり約1.15ドルのマイナス影響が見込まれるものの、為替効果によるプラス影響は0.45ドルと、前回予想の0.10ドルから拡大する見通しだ。

同社は、秋以降にさらなる大型キャンペーンを控えており、2025年を「成長への復帰の年」と位置づける。中国市場の低迷や関税リスクといった課題は残るものの、ブランド力を軸とした中長期戦略に揺るぎない自信を示している。さらに、ラーソンは秋に向けて「カテゴリーの強化や主要製品群におけるイノベーションを加速し、世界的に影響力を持つタレントを起用したフルファネルキャンペーンを展開する計画が進んでいる」と明かしており、今後の成長加速に向けた布石が整いつつある。

Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.