ブルネロ クチネリ(Brunello Cucinelli)、2025年上半期は営業利益8.8%増ー 通期も10%成長を見込む

Brunello Cucinelli

8月28日(現地時間)、イタリアのラグジュアリーブランド「ブルネロ クチネリ(Brunello Cucinelli)」が2025年上半期(1〜6月)の決算を発表した。営業利益(EBIT)は前年同期比8.8%増の1億1,380万ユーロ(約1億3,300万ドル)。売上高は6億8,410万ユーロに達し、固定為替レートベースで10.7%増と二桁成長を継続した。

純利益は7,670万ユーロと前年同期比16.0%増。売上高比率は11.2%に上昇し、収益性の改善を示した。地域別では欧州が10.0%増、米州が8.7%増、アジアが12.5%増と、主要市場すべてで拡大。チャネル別では直営店が10.3%増、卸売も10.1%増と、バランスの取れた成長を見せている。

同社は積極的な投資も推し進めた。2025年上半期の投資総額は6,350万ユーロと、前年同期から大幅に増加。ソロメオ工場の倍増を含む「Made in Italy」生産拡張計画を1年前倒しで完了し、2035年頃までの安定的な生産基盤を確立した。また、直営ブティックは2025年6月末時点で130店舗に拡大。ロンドンのスローンストリートやウィーンでの大型移転も行い、存在感を一層強めている。

創業者であり、エグゼクティブ・チェアマン兼クリエイティブ・ディレクターのブルネロ・クチネリ(Brunello Cucinelli)は「2025年上半期を、売上と利益の両面で非常に良い結果で終えることができました。私たちは“健全で気品ある成長”を大切にしており、手仕事の尊厳を高め、人間の道徳的・経済的尊厳を尊重する経営を続けています」と述べ、「秋冬シーズンは好調にスタートし、2026年春夏コレクションの受注も極めて良好です。ブランドを取り巻く良い雰囲気と共に、2025年は売上+10%の健全な成長を達成し、2026年も同様にバランスの取れた成長を見込んでいます」と続けた。

7月・8月も売上は上半期同様に好調を維持しており、同社は2025年通期で約10%の売上成長を見込む。さらに、2026年春夏の販売キャンペーンも極めて良好で、メンズはすでに終了、ウィメンズは受注が続いており高い評価を得ている。

世界的にラグジュアリー市場が減速傾向にある中で、ブルネロ クチネリは独自の持続可能な生産基盤とブランドの魅力を武器に、安定した成長を続けている。中長期にわたり二桁成長を維持できるかが、引き続き注目されるところだ。

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