9月3日(現地時間)、イタリアのスニーカーブランド「ゴールデングース(Golden Goose)」は、2025年上半期に力強い成長を遂げた決算を発表した。売上高は3億4,210万ユーロと大きく拡大し、為替一定ベースで前年同期比13%増を記録。調整後EBITDAも1億1,300万ユーロに達し、売上高比33%という高水準の収益性を維持した。
第2四半期の売上は前年同期比14%増と、第1四半期の12%を上回り、成長ペースはさらに加速した。一方で資本面では、2025年初頭にアリババ共同創業者ジョー・ツァイ(Joe Tsai)が率いる香港拠点の投資会社ブルー・プール・キャピタル(Blue Pool Capital)が株式12%を取得。2020年以来ゴールデングースを傘下に置く英投資会社ペルミラ(Permira)に加え、新たな投資家が参画したことで経営基盤は一層強化された。
地域別では欧州が18%増と最も高い伸びを示し、米国は8%増、アジア太平洋は9%増と、世界各地域でバランスの取れた拡大を実現した。また販売チャネル別では、直営(DTC)が成長を牽引。売上全体に占める割合は77%に達し、前年同期の73%からさらに拡大した。DTC売上は全体で19%増加し、地域別ではEMEAで26%、アメリカで15%、アジア太平洋で14%の成長を記録している。
同社は、上半期にシンガポール、マニラ、イビサ、ヴェネツィアなどに10店舗を新規出店しており、現在の世界の直営店舗数は225店となる。ドバイでは子供向け専門のブティックを開設し、ターゲット層の拡大も進めている。さらに、地中海の漁村をイメージしたポップアップ「Golden Pescheria」をトスカーナ州フォルテ・デイ・マルミやニューヨークのハンプトンズなどのリゾート地に展開し、ブランドストーリーテリングを体現する取り組みを強化した。
スニーカー市場は近年成長が鈍化し、多くのブランドが苦戦する状況にあるが、そうしたなかで二桁成長を維持した同社の実績は際立つ。
ゴールデングースはこれまで、顧客に「靴を買う」体験ではなく「共に作る」体験を提供することに注力してきたという。25周年を迎える今年も大規模な式典は控え、代わりに世界各地に「Haus」と呼ばれるコミュニティスペースを展開し、顧客同士やブランドとのつながりを深化させる戦略を打ち出すことで、ファン層に厚みを生み出している。
ゴールデングース グループCEOのシルヴィオ・カンパラ(Silvio Campara)は声明の中で、「厳しいマクロ経済環境の中にあっても、2025年上半期の当社の堅調な業績は、ゴールデングースブランドがコミュニティにおいて世界的に響き続けていることを示しています」とコメント。
また「これらの成果は、ゴールデングースブランドの力、DTCとイノベーション主導の戦略、そして常に新たな高みを目指す“Co-Creation”の強さを裏付けるものです」と語った。
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