ルルレモン(Lululemon)、米国市場で失速ー 通期予想を下方修正

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9月4日(現地時間)、カナダのスポーツウェア大手ルルレモン・アスレティカ(Lululemon Athletica)が2025年度第2四半期の決算を発表した。売上高は25億ドルと前年同期比7%増を確保し、国際市場では力強い伸びを見せた。しかし米国事業の不振が重荷となり、成長に陰りが見え始めている。

粗利益率は58.5%と前年から1.1ポイント低下し、営業利益も3%減の5億2,380万ドルに後退。数字は一見堅調だが、米国市場の停滞が鮮明に表れた決算となった。

最高経営責任者カルビン・マクドナルド(Calvin McDonald)はこう語る。

「第2四半期において国際市場では引き続き前向きな勢いが見られましたが、米国事業の業績と商品企画の一部については残念な結果となりました。私たちは不振の要因を綿密に分析し、商品構成の強化と事業の加速に向けて必要な対応を進めています。」

だが、市場に冷や水を浴びせたのは通期予想の下方修正だ。売上高見通しは従来の111億5,000万〜113億ドルから108億5,000万〜110億ドルに引き下げられ、1株当たり利益(EPS)も14ドル台後半から12ドル台後半へと縮小した。

最高財務責任者メーガン・フランク(Meghan Frank)は「第2四半期はEPSが予想を上回った一方で、売上高はガイダンスを下回り、主に米国事業が要因でした。また、業界全体で高関税率という課題にも直面しています。こうした状況を踏まえ、通期見通しを修正しました」と説明。

同社によれば、通期業績には約2億4,000万ドルの関税コストが響く見通しだ。米国輸入品への高関税、さらに「少額輸入免税(de minimis)」撤廃の影響が直撃する。

地域別では、米州の売上がわずか1%増にとどまる一方、中国本土で25%増、国際市場全体で22%増と高成長を記録。世界での存在感は拡大しているが、最大市場アメリカでの減速が企業価値を揺さぶった。発表後の株価は時間外取引で13%下落し、投資家心理の冷え込みを物語る。

インフレや消費マインドの冷え込み、さらに不透明な通商政策。こうした逆風の中で、ルルレモンが如何に「ブランド力」と「商品力」で再び米国市場を取り戻せるかが今後のカギを握るだろう。

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