9月10日(現地時間)、バレンシアガ(Balenciaga)が、75年ぶりに10種類の新たなフレグランスコレクションを発表した。これは1947年にクリストバル・バレンシアガ(Cristóbal Balenciaga)が世に送り出した初の香水「ル・ディックス(Le Dix)」を再構築し、ブランドのヘリテージと現代性を融合させたものだ。
今回のプロジェクトは、15年にわたるアーカイブ調査から始まり、オリジナルボトルの発見と復刻に至った。新しい「ル・ディックス」は、アイリスアブソリュートやスミレの葉、インセンスを配合し、クラシカルな香りを現代的に表現している。ボトルデザインは当時の雰囲気を忠実に再現しつつ、リフィル可能な仕様やスプレーディスペンサーを備えるなど現代的な要素も加えられた。
コレクションのラインナップ
コレクションには「Le Dix」をはじめ、ブランドの歴史や思想に着想を得た多様な香りが揃う。
- No Comment:クリストバル・バレンシアガが生前インタビューを拒んだ姿勢を反映し、レジンを思わせるウッディな香り。
- Getaria:生誕地スペイン・ヘタリアの海辺をイメージし、柑橘やピンクペッパー、海藻のアブソリュートを組み合わせた。
- Cristóbal:ウードやパチョリ、オークモスを用い、デザイナーの名を冠した重厚な香り。
- Incense Perfumum:インセンスを中心に据え、シダーウッドやラブダナムが神秘的な余韻を添える。
そのほか、「Extra」「Muscura」「Twenty Four Seven」など個性豊かな香りが展開され、合計10種類のラインナップとなっている。価格は100mlボトルが260ユーロ、ディスカバリーボックスが320ユーロ、トラベルスプレーケースが130ユーロ、バッグチャームは395ユーロ。
この新コレクションは、本日よりパリの「アヴェニュー・ジョルジュV 10番地」にあるバレンシアガのクチュールストアに隣接する新しいフレグランスブティックで発売が開始した。同時に欧米の一部ブティックおよび公式オンラインストアでも販売がスタートしている。また、11月初旬頃には日本を含むアジアや中東にも展開し、約200店舗規模での販売予定である。
バレンシアガCEOのジャンフランコ・ジャンアンジェリ(Gianfranco Gianangeli)は、この新コレクションについて「バレンシアガのクチュールと香りの歴史における刺激的な新章です。ファッションとフレグランスは約80年間、このメゾンのDNAに組み込まれており、調和して存在しています」と語った。
またケリング・ボーテ(Kering Beauté)CEOのラファエラ・コルナッジア(Raffaella Cornaggia)は、「クリストバルが最初に生み出したフレグランスを蘇らせること以上に、この素晴らしいメゾンの本質を称える方法はありません」と述べている。
伝統を受け継ぎながらも、現代の感性で刷新されたバレンシアガの新フレグランスコレクション。アーカイブの再解釈と革新的なアプローチによって、香水はメゾンの歴史と未来をつなぐ新たな表現手段となっている。
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