VFコーポレーション、ディッキーズ(Dickies)をブルースター アライアンスに売却へ─ 売却額は6億ドル

Dickies

9月15日(現地時間)、VFコーポレーション(VF Corporation)は、アメリカを代表するワークウェアブランド「ディッキーズ(Dickies®)」を、グローバルブランドマネジメント企業ブルースター アライアンス(Bluestar Alliance LLC)に売却することを発表した。売却額は現金6億ドルで、2025年末までに完了する見込みだ。

ディッキーズは1922年に創業し、100年以上にわたりワークウェアを軸に成長してきた。近年ではワークウェアをルーツに持ちながらも、ストリートカルチャーやファッションシーンにおいても存在感を放ち、55カ国で展開されるグローバルブランドへと進化している。

負債削減を急ぐVFコーポレーション

ノースフェイス(The North Face®)、ヴァンズ(Vans®)、ティンバーランド(Timberland®)といった有力ブランドを擁するVFコーポレーションだが、近年は業績の低迷と負債の増加が大きな課題となっている。

今回のディッキーズ売却は、その解決に向けたポートフォリオ再編の一環と位置づけられる。2017年に8億2,000万ドルで買収したブランドを、6億ドルで手放すことは一見後退のようにも映るが、この判断は負債圧縮を優先し、財務基盤の健全化を加速させるための戦略的な一手だと言える。

同社社長社長兼CEOのブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)は声明の中で次のようにコメント。

「ブルースター アライアンスのもとで、さらなる成長と可能性を実現していくことを確信しています。当社は常にポートフォリオを精査しており、この取引によりネットデットを削減し、プロフォーマベースでの成長にも寄与することになります。ディッキーズ®チーム全体のブランド変革への献身に感謝します。」

また、ブルースター アライアンスCEOのジョセフ・ガバイ(Joseph Gabbay)も、この買収について「VFコーポレーションがここ数年で再構築を進めてきた基盤をさらに発展させ、消費者インサイトと運営力を活用し、ブランドの価値を最大限に引き出していきます」と述べている。

ブルースター アライアンスは世界500以上のライセンシーと500店舗以上の小売ネットワークを持ち、ブランド再構築に強みを発揮してきた。今回の買収によって、ディッキーズは新たな成長フェーズを迎えることになるだろう。

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