ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)、新CEOにジュゼッペ・マルソッチを任命

Giuseppe Marsocci

10月16日(現地時間)、、イタリアの名門ラグジュアリーハウス、ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani) グループは、ジュゼッペ・マルソッチ(Giuseppe Marsocci)を新CEOに任命し、即日付で取締役会メンバーに就任することを明らかにした。

今回の人事は、9月4日に91歳で逝去した創業者ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)の遺志に基づき、アルマーニ財団(Armani Foundation)の全会一致で決定されたものだ。

内部昇進による後継人事──創業者の経営哲学を継ぐ人物

マルソッチは1963年にトリノで生まれ、ファッションおよびラグジュアリー業界で35年以上の経験を持つベテランだ。そのうち23年間をアルマーニ・グループで過ごし、ミラノ本社と 外拠点の両方で要職を歴任してきた。2014年から2019年まではアメリカ地域CEOとしてニューヨークに駐在し、北米および中南米事業を統括。その後は副CEO兼グローバル最高商務責任者として、アルマーニの右腕としてグローバル経営を支えてきた。

取締役会長のレオ・デル・オルコ(Leo Dell’Orco)は声明で次のように語っている。

「彼の国際的な経験、業界およびグループへの深い理解、慎重さと忠誠心、そして近年におけるアルマーニ氏との強い信頼関係が、創業者の描いた道を継承するうえで最も自然な選択であります。」

また、アルマーニ財団は、創業者の姪であるシルヴァーナ・アルマーニ(Silvana Armani)が取締役会副会長に就任することも併せて発表した。取締役会は、遺言執行手続きの完了後に最終構成が決定する予定だが、同社は「経営の連続性を維持するため、CEOの任命を前倒しした」としている。

「世界で最も名高い“メイド・イン・イタリー”ブランドを次の世代へ」

就任に際し、マルソッチは声明で「世界で最も名高い“メイド・イン・イタリー”ブランドの一つを継承し、さらに発展させるという、極めて重要なプロジェクトです。ブランドは単なる商標ではなく、真のライフスタイルブランドとして確固たる地位を築いてきました」と述べている。

さらに彼は、変革期を迎えるラグジュアリーマーケットについて次のように言及した。

「目標は容易ではありませんが、世界中の優秀なチーム、取引先、パートナー、そして長年アルマーニ氏と歩んできた多くの仲間とともに、創業者のビジネスモデルと美の哲学を一貫性と感受性をもって未来へつなげていきます。」

創業者が生前に設計した「継承の仕組み」

なお、今回のCEO人事は、アルマーニ自身が生前に設計した事業継承プランに沿ったものだ。同氏の遺言により、グループの経営は「ジョルジオ・アルマーニ財団」が引き継ぎ、ブランドの経営権と創業理念を維持することが明記されている。

財団の会長には、メンズ部門を率いてきたパンタレオ(レオ)・デル・オルコ(Pantaleo “Leo” Dell’Orco)が就任。彼は議決権の40%を保有し、移行期の中心的役割を担う。

また、財団の理事には、創業者の甥アンドレア・カメラーナ(Andrea Camerana)、ロスチャイルド&カンパニーのパートナーアービング・ベロッティ(Irving Bellotti)、および遺言を開示した公証人エレナ・テレンギ(Elena Terrenghi)が名を連ねる。アルマーニの姪であるロベルタ・アルマーニ(Roberta Armani)とシルヴァーナ・アルマーニは、創業者の理念を監督する監査委員会のメンバーとして活動していく。

財団による持続的なブランド戦略

また、アルマーニの遺言には、将来的な資本戦略の方向性も明記されていた。遺言開示から12か月後(最長18か月以内)に、グループ株の初回15%をLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton)、エシロールルックスオティカ(EssilorLuxottica)、またはロレアル(L’Oréal)のいずれかに売却できるとされている。

さらに3〜5年後には、持株比率を30〜54.9%まで拡大するか、5〜8年以内にイタリア市場を優先とするIPO(株式上場)を検討することも可能だという。上場後も財団は30.1%の株式を保有し続け、経営の主導権を維持する見通しだ。

Copyright © 2025 Oui Speak Fashion. All rights reserved.