10月30日(現地時間)、米国ファッションデザイナー協議会(CFDA)財団とベゾス・アース・ファンドが、持続可能なファッションの新時代を切り拓く共同プロジェクト「ネクスト・スレッド・イニシアチブ(The Next Thread Initiative)」を正式に発表した。総額625万ドル(約9億5,000万円)におよぶこのパートナーシップは、今後3年間にわたり、インディペンデントデザイナーや次世代のクリエイターに向けた包括的な支援を展開する。
ファッションの“次の糸”を紡ぐ、多層的アプローチ
同イニシアチブは、ファッションの「つくり方」「届け方」「楽しみ方」を再定義するデザイナーや学生を対象に、助成金・奨学金・ストーリーテリングプログラムを通じて多角的な支援を行う。その中核となるのは、以下の3つの柱だ。
1. インディペンデント・デザイナー・アワード
持続可能な素材、サーキュラーデザイン、低環境負荷な生産手法を実践するアメリカのデザイナーを対象に、5万〜50万ドルの助成金を提供。特に優れた取り組みには、さらなる拡大支援も予定されている。
2. デザイナー志望学生への奨学金
持続可能なファッションデザインを学ぶ学部・大学院生に対し、2万5,000〜7万5,000ドルの奨学金を授与。教育格差をなくし、次世代のサステナブル人材育成を後押しする。
3. イベントとストーリーテリング
助成対象者の活動を紹介するイベントや展示会、デジタルメディアでの発信を通じ、業界内外にサステナブルデザインの価値を広く伝えていく。
この発表について、CFDAの社長兼CEOスティーブン・コルブ(Steven Kolb)は次のように語る。
「このパートナーシップは、デザイナーと学生がより持続可能なファッションの未来を築くための具体的な支援を提供するものです。ローレン・サンチェス・ベゾス(Lauren Sánchez Bezos)のリーダーシップのもと、ベゾス・アース・ファンドはアイデアを行動へと変え、業界に新たな変革をもたらしています。我々はこの協働を通じて、ファッション業界全体に持続可能な変化を促していきたいのです。」
また、ベゾス・アース・ファンドの社長兼CEOトム・テイラー(Tom Taylor)は「ファッションは常に文化の鏡であり、今こそ変革の触媒になれるでしょう。CFDA財団と共に、より持続可能な未来を築く次世代のデザイナーやイノベーターに投資していきます」とコメントしている。
同プロジェクトを通じて得られる知見は、素材科学、製造革新、サプライチェーン変革における今後の投資戦略にも反映される見通しだ。CFDAとベゾス・アース・ファンドは、サステナブルな選択肢を広げることで、消費者が“スタイル・品質・価格・地球環境”のすべてを両立できる新たなファッションの未来を目指す。
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