WMHプロジェクト、プロファースト フランスを買収ー PETIT AMIと統合し新エージェンシー「The Officin」を設立

The Officin

11月12日(現地時間)、欧州を拠点とするコミュニケーショングループ「WMHプロジェクト(WMH Project)」は、ラグジュアリー分野のさらなる拡大に向け、新たなクリエイティブ&プロダクションエージェンシー「ジ オフィシン(The Officin)」を設立したことを発表した。

この新組織は、フランスのイベント制作会社「プロファースト フランス(Profirst France)」と、クリエイティブスタジオ「プティ アミ(PETIT AMI)」のチームを統合して誕生したものであり、同グループのラグジュアリーディビジョン「WMH Luxury」に属する「フェノメーヌ(Phénomène)」と並ぶ新たな柱となる。

WMHプロジェクトとは

フランスおよびヨーロッパを代表する総合コミュニケーショングループの一つであるWMHプロジェクトは、年間約1,500件のプロジェクトを世界100か国以上で展開。企業・官公庁・ブランド向けにイベント、空間デザイン、映像制作、デジタル・インフルエンス戦略などを包括的に手掛けている。現在は、パリ、ボルドー、リヨン、マルセイユ、ブリュッセル、ロサンゼルスに拠点を持ち、500名以上のスタッフを擁する。

2023年には「ミッションドリブン・カンパニー(目的志向型企業)」の認定を取得し、環境・社会・倫理面での取り組みを強化。同グループの年間売上は約2億3,000万ユーロに達し、欧州を代表する非メディア型コミュニケーション企業として知られている。

中でも、ラグジュアリー分野に特化した「WMH Luxury」は、ファッション、ビューティ、ジュエリー、オートモーティブといった高級領域のクライアントを中心に、グローバルでブランド体験を設計する専門チームとして存在感を強めている。

ラグジュアリー領域の拡大へ、戦略的統合

今回の統合は、WMHプロジェクトが進める成長戦略の一環であり、ラグジュアリー業界におけるイベントプロダクションとクリエイティブサービスの世界的リーダーを目指すものだ。「ジ オフィシン」はすでにパリ、ドバイ、アブダビ、サントロペ、ミラノに拠点を持ち、今後アジアとアメリカへの展開も予定している。2025年には、WMH Luxury全体の売上が6,000万ユーロを超える見込みである。

「プロファースト フランス」は、創業以来ジャン=フィリップ・ブロー(Jean-Philippe Braud)のリーダーシップのもと、ハイジュエリー、時計、ワイン&スピリッツ、自動車といった超高級領域で多くのイベントを手がけてきた。特に近年は、モナコで開催された「グランプリ・ド・ラ・オートジュエリ―」など、ブランドの世界観を体現する体験型イベントで高い評価を得ている。

一方、「プティ アミ」はロラン・バンデ(Laurent Bandet)が2017年に設立したクリエイティブプロダクションスタジオで、ファッション、アート、カルチャーを横断する独自の世界観で知られる。今回、両社の強みを掛け合わせた「ジ オフィシン」は、セノグラフィー、デザイン、デジタル、PR、リテールなど、多様な専門領域を横断するチームによって構成されている。

Jean-Philippe Braud - Laurent Bandet © Laurence Guenoun
左からジャン=フィリップ・ブロー, ロラン・バンデ © Laurence Guenoun

「感情をキュレーションする」新たなラグジュアリーのかたち

「ジ オフィシン」の理念は、“意味と精度に導かれるラグジュアリー”。創造性と厳密さ、独自性と適切さを融合させることを重視し、クリエイティブ産業の未来に新たな定義をもたらすことを掲げる。

WMHプロジェクト共同代表のマーク・フィッシャー(Marc Fischer)とフランク・ショー(Franck Chaud)は、次のようにコメントしている。

「フェノメーヌに加え、PETIT AMIとプロファースト・フランスのチームをThe Officinとして統合することで、WMH Luxuryは大きな力を得ることになります。この動きは、フランス国内だけでなく国際的にも、急速に変化するラグジュアリーおよびビューティイベント業界におけるグループの地位を強化する、野心的な統合戦略の一環です。」

さらに、ジャン=フィリップ・ブロー(Jean-Philippe Braud)は次のように語る。

「WMHプロジェクトへの参加は、25年にわたる専門性を“共通のビジョン”のもとで発揮することを意味しています。戦略的な卓越性、美的な精度、そして責任あるインパクトを融合させた、忘れがたい体験を創造していきたいです。

プロファースト フランスの美しい章は今日幕を閉じますが、ここから私たちは新たな物語を共に描き始めます。それは、希望に満ちたコレクティブな冒険であり、“感情のキュレーター”としての新たなシグネチャーの始まりなのです。」

ロラン・バンデ(Laurent Bandet)も、創造への信念を次のように表現している。

「The Officinは“創造性こそが最も強力な変革の力である”という共通の信念から生まれました。私たちは、アイデアが形になる場所、セノグラフィー、革新、そしてクラフトマンシップが交差して、感性とビジョンに満ちたユニークな体験をデザインする場所を想像しています。
共に、自由で大胆かつインスピレーションに満ちた、感情とサヴォワールフェールに捧げられた新たな表現の領域を創造していきます。」

そして、フェノメーヌ共同創設者でありWMH Luxury副社長でもあるクーロス・ネイサリ(Kouros Neyssari)はこう語る。

「WMHグループの一員となってから1年半を経て、プロファースト・フランスとPETIT AMIの才能がWMH Luxuryをさらに強化してくれることを嬉しく思います。この専門性の融合は、私たちが共有するビジョン、すなわち“ノウハウを結集し、顧客体験を高め、創造性と感情の限界を押し広げる”という思いを体現しています。」

ラグジュアリーイベントの未来創造をする「The Officin」

WMHプロジェクトが見据えるのは、ラグジュアリーにおける新たな表現領域の創出である。
「ジ オフィシン」の誕生は、そのビジョンを体現する象徴的な一歩であり、感性と構築力が交差する未来のラグジュアリー体験のプロトタイプとなるだろう。

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