キム・カーダシアン(Kim Kardashian)が共同創業したシェイプウェアブランド「スキムス(Skims)」が、さらなる成長局面を迎えている。ブランドは新たに新たに2億2500万ドル(約352億円)の資金調達を行い、企業評価額が50億ドル(約7,330億円)に達したと発表した。今回の調達は、ゴールドマン・サックス・オルタナティブ(Goldman Sachs Alternatives)が主導し、BDT & MSD Partners 傘下のファンドも参加したものだ。
スキムスは、調達した資金を用いてインティメイトウェアおよびシェイプウェアの拡充、アパレル・アクティブウェアへの領域拡大、そして実店舗ビジネスと国際展開の強化を図るとしている。現在、米国内で18店舗を運営し、メキシコにはフランチャイズ2店舗を展開しており、今後数年で「主に実店舗を軸としたブランド」へと進化させる計画だ。
共同創業者兼チーフクリエイティブオフィサーのカーダシアンは「革新を続け、業界のスタンダードを築きながら、スキムスを次のステージへと成長させるのが楽しみです」とコメント。
また、CEOであるイェンス・グレーデ(Jens Grede)も、今回の調達に対して「今回の節目は、私たちの長期ビジョンへの継続的な信頼を示すものであり、規律ある実行と合わせて、スキムスが次の成長フェーズを切り開くための強力な位置づけとなります」と述べた。
スキムスの急成長と現在地
2019年の創業以来、スキムスはインクルーシブなサイズ展開と、シェイプウェアというニッチ領域をモダンに再解釈したプロダクトで市場を席巻してきた。2023年にはメンズカテゴリーを開始し、2024年にはナイキ(Nike)との協業ライン「NikeSkims」を発表。アスレジャー領域への進出も本格化している。
今年、同社は売上高10億ドル超えを見込んでおり、創業からわずか数年でスポーツ・アスレジャー市場の主流に食い込む存在となった。
美容領域の統合とブランドの広がり
さらに2024年には、コティ(Coty)がキム・カーダシアンのビューティーブランド「Skkn by Kim」の20%株式をスキムスへ売却し、ビューティーとライフスタイル事業がスキムスの傘下に統合。この動きは、ブランドのカテゴリー拡張が本格的に加速している証左だと言える。
こうしたスキムスの急成長を支える要因の一つが、カーダシアンのソーシャルメディアでの影響力や若年層への訴求力である。近年は、ヘイリー・ビーバーが手がける「ロード(Rhode)」がエルフビューティ(e.l.f. Beauty) によって約10億ドルで買収されるなど、セレブリティ発ブランドへの投資熱も高まりを見せている。
業界最大級へと成長するスキムス
今回の資金調達により、スキムスの企業価値は、ヴィクトリアズ シークレット(Victoria’s Secret)とアンダーアーマー(Under Armour)を合計した時価総額を上回る規模に達した。フォーブスによると、今回の取引によりカーダシアンの個人資産は19億ドルとなり、調達に伴って2億ドル増加したという。今後は実店舗を核としたグローバル展開によって、さらにその存在感を強めていく構えである。
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