ショッピファイ(Shopify)、サイバーマンデーに大規模障害で世界のEC事業者に影響拡大

Shopify

12月1日(現地時間)、世界最大級の独立系Eコマースプラットフォームである「ショッピファイ(Shopify)」が、サイバーマンデー当日に予期せぬシステム障害に見舞われた。米国では、年内でも最もオンライン消費が集中する日であるだけに、影響は世界中のマーチャントへ広がった。

ログイン不能、管理画面ダウン、POSにも影響

米東部時間12月1日午前9時頃から、複数のストアが「管理画面にログインできない」という報告を上げ始めた。ショッピファイの公式ステータスページでも、管理画面・購入手続き・POSシステム・API・サポート機能 の複数領域で「大幅なパフォーマンス低下」が確認されていた。

障害情報サイト Downdetector.com によると、報告件数は午前11時頃にピークを迎え、4,000件以上の問題が寄せられたという。

Downdetector.com
Downdetector.com

ショッピファイは障害発生後、ステータスページを通じて継続的なアップデートを行い、「調査継続」「緩和策の適用」「POSシステムへの影響」などを逐次公開した。復旧には段階的な対応が必要とされ、一部機能は時間差で回復しているが、完全復旧には時間を要した。

世界の小規模事業者を直撃したサイバーマンデーの混乱

今回の障害が広い反響を呼んだ背景には、ショッピファイの規模がある。米証券取引委員会(SEC)に提出された資料によると、同社は2024年に約3,000億ドルの取引量を処理し、プラットフォームを利用する消費者は5億人以上にのぼる。

さらに先週、ショッピファイは「米国EC取引の12%を支えている」とブログで発表したばかりだった。つまり今回の障害は、単なるシステムトラブルではなく、世界規模の売上に直結するインフラ障害だったといえる。

ソーシャルメディアでは、特に小規模ビジネスのオーナーを中心に怒りの声が噴出し、ビジネスの生命線である管理画面にアクセスできない状況がいかに深刻であるかを物語っていた。

Eコマースの“基盤”が揺らいだ一日

サイバーマンデーは米国最大のオンラインショッピングイベントであり、セールスフォースは今年の取引額が530億ドルを超えると予測している。このように極めて重要なタイミングで大規模な障害が発生したことは、売上やサプライチェーンだけでなく、小規模事業者の事業継続にまで影響を及ぼしかねないリスクをはらんでいる。

今回の出来事は、デジタルインフラが拡大し複雑化するほど、そのリスクと脆弱性も増していくというより大きな現実を浮き彫りにした。同時に、世界のEコマースエコシステムが抱える構造的な課題に、より正面から向き合う必要性を改めて示す出来事となった。

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