12月4日(現地時間)、ヴェルサーチェ(Versace)のクリエイティブディレクターを務めているダリオ・ヴィターレ(Dario Vitale) が、着任からわずか数カ月でブランドを去ることが明らかになった。Business of Fashionの報道によると、退任日は12月12日付で、プラダ・グループ(Prada Group)は今回の決定を「双方の合意によるもの」と説明している。
ヴェルサーチェ以前のヴィターレは、ミュウミュウ(Miu Miu)でキャリアを築き、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada) の右腕として長年デザインを支えてきた。プラダ グループにおける豊富な経験を持つ彼の起用は、当初からブランド刷新の象徴として受け止められていた。
また就任時には、ブランド史上初となる“ファミリー外のクリエイティブ指揮官”として大きな注目を集めたが、9月のミラノ・ファッションウィークで発表したコレクションが、惜しくも最初にして最後のランウェイとなった。
そのデビューコレクションでは、鮮やかなデニム、装飾的なブラトップ、タイトで彫刻的なシルエットといった、ブランドのDNAをヴィターレ流に再構築したルックが並んだ。1980年代の美学を現代的に再解釈したプロポーションと素材使いが際立ち、主要リテーラーからの評価も高かったとされている。
プラダによる買収完了直後の退任発表
今回の退任発表は、プラダ・グループがカプリ・ホールディングス(Capri Holdings)からヴェルサーチェを、12億5,000万ユーロで正式に買収したわずか2日後に行われたものだ。
買収完了を受け、グループの後継者である ロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli) が、ヴェルサーチェのエグゼクティブ・チェアマンに就任。トップマネジメントを刷新し、新たな組織体制へと移行する布石が打ち出されている。
なお、ヴィターレ後任について、「新たなクリエイティブ体制は適切な時期に発表される」とコメント。新体制が整うまでの間、デザインチームはエマニュエル・ギンツバーガー(Emmanuel Gintzburger) CEOの指揮下で業務を継続するとされる。
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