ロレアル(L’Oréal)、スイスのスキンケア企業「ガルデルマ」への出資比率を20%へ拡大

L’Oréal

12月8日(現地時間)、ロレアル(L’Oréal Groupe)は、スイスの皮膚科スペシャリスト企業「ガルデルマ(Galderma Group AG)」への出資比率を20%へ引き上げることを発表した。今回の追加取得分10%は、EQTが主導するコンソーシアム(Sunshine SwissCo GmbH、アブダビ投資庁〔ADIA〕、Auba Investment Pte. Ltd.)から非公開額で取得するもので、規制承認を前提に2026年第1四半期に完了する見通しである。

2024年8月に初めて10%を取得して以来、ロレアルはエステティクス市場への参入を強化しており、今回の出資拡大はその戦略の延長線上にある。ガルデルマは、注入系エステティクス、皮膚科スキンケア、治療用皮膚科を柱とするグローバルブランドで、「レスチレン(Restylane)」や「セタフィル(Cetaphil)」を擁する企業として知られる。

今回の投資拡大にあたり、ロレアル CEO のニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)は次のように述べている。

「エステティクスは、当社のコアビューティ事業に隣接する非常に重要な領域であり、今後も積極的に探求していきたいと考えています。2024年に行ったガルデルマへの最初の戦略的投資は大きな成果を上げており、今回さらにパートナーシップを強化し、発展させていきたいと考えています。」

出資比率の変更に伴い、ガルデルマは2026年の定時株主総会で、EQTコンソーシアムに代わり、ロレアルから2名の非独立取締役候補を指名する可能性を検討している。

これにより、ガルデルマのガバナンスにおけるロレアルの影響力は一定程度高まるが、ロレアルは経営の独立性は維持されるべきという立場であり、現時点でさらなる持株比率の引き上げは検討していないと明言している。

両社の協業領域はさらに拡大へ

また、ロレアルとガルデルマはすでに科学研究分野で協業しており、今回の投資を機に、皮膚科学およびスキンヘルス領域における共同プロジェクトの強化を視野に入れている。

ガルデルマ CEO フレミング・オルンスコフ(Flemming Ørnskov, M.D., MPH)は、ロレアルを「強固で長期的なパートナー」と位置付けており、両社の関係は今後さらに深まっていくと考えられる。

買収・投資戦略を加速させるロレアル

なお、今回の出資拡大は、ロレアルがビューティ領域で積極的に投資を進めている流れと一致するものだ。

同社は近年、

など、大型ディールを相次いで締結してきた。

グローバルビューティ市場の中でも、特にエステティクス領域は高成長カテゴリーであり、今回のガルデルマへの追加出資はその中核となる戦略の一つとなるだろう。

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