12月15日(現地時間)、ラグジュアリーファッションブランドの「リック オウエンス(Rick Owens)」およびその運営会社オウエンズコープ(Owenscorp)は、今後のすべてのコレクションにおいてファーを使用しない方針を明らかにした。
これは、ファートレード廃止を訴える団体「コアリション・トゥ・アボリッシュ・ザ・ファー・トレード(CAFT)」による、5日間にわたる抗議キャンペーンを受けた決定である。
今回の方針転換により、リック オウエンスの公式オンラインストアからは、これまで販売されていたミンクおよびビーバーファーのハンドバッグもすでに削除された。


このファーフリー方針は、オウエンズコープのコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ(CSR)チームがCAFT宛に送付したメールによって正式に確認されたほか、同社ウェブサイトの「Eco Aware」セクションにも新たな声明が追加された。
声明では「過去10年にわたり、私たちはファーの生産を段階的に削減し、最終的に停止しました。今後、ファー生産に関与することはありません」と明記している。
CAFTは2025年12月10日にキャンペーンを開始し、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨークの3都市で抗議活動を展開した。ニューヨークでは、オウエンズコープのCEOであるダニエラ・ソト・ベルトラン(Daniela Soto Beltran)に対し、活動家による直接的な抗議が行われたほか、ロサンゼルス国際空港(LAX)のエールフランス・ラウンジでは、リック・オウエンスの長年のコラボレーターであり、デザイナー兼モデルとして知られるタイロン・ディラン(Tyrone Dylan)に対しても抗議行動が実施された。
CAFTのエグゼクティブ・ディレクターであるスージー・ストーク(Suzie Stork)は、今回の決定について次のようにコメントしている。
「ファッションのリーダーは、進化するか、時代に取り残されるかのどちらかだ。リック・オウエンスは進化を選びました。いまだに残酷なファートレードから利益を得ているブランドも、今回の動きを真剣に受け止めるべきです。」
さらに彼女は、「コンデナスト(Condé Nast)やニューヨーク ファッションウィーク、そして今回のリック オウエンスがファーフリーを選択したことで、依然としてファーに依存する企業が、いかに時代遅れであるかが明確になった」とも述べている。
今回の発表は、これまでにコンデナスト、ニューヨーク・ファッションウィーク、マーク ジェイコブス(Marc Jacobs)など、ファッション業界の象徴的存在をターゲットにしてきたCAFTの一連のキャンペーンの延長線上に位置づけられる。ラグジュアリーファッションにおける倫理とサステナビリティをめぐる議論が、再び大きな転換点を迎えた。
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