12月18日(現地時間)、フランスのラグジュアリー・コングロマリット「LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン : 以下、LVMH(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton)」は、傘下のイタリアン・ハイジュエラー「ブルガリ(Bvlgari)」のCEOに、ローラ・ブルデーゼ(Laura Burdese)を任命したと発表した。就任は2026年7月1日付となる。
ブルデーゼは2024年7月よりブルガリの副CEOを務めており、約2年の移行期間を経てトップに就く。これに伴い、現CEOのジャン=クリストフ・ババン(Jean-Christophe Babin)はCEO職を退任するが、ブルガリ取締役会会長、ブルガリ・ホテル事業部門CEO、ブルガリ財団プレジデントとして引き続き経営に関与する。
ブルデーゼは、2016年にLVMHグループへ入社。イタリアのフレグランスメゾン「アクア ディ パルマ(Acqua di Parma)」のCEOを務めた後、2022年にブルガリへ移り、マーケティングおよびコミュニケーション領域を統括。近年のブランド変革と価値向上を主導し、その実績が評価されて副CEOに昇格していた。
今回の人事について、LVMHグループ マネージング・ディレクター兼LVMHウォッチ&ジュエリー部門CEOであるステファン・ビアンキ(Stéphane Bianchi)は、公式プレスリリースの中で次のようにコメントしている。
「この円滑な移行を非常に誇りに思います。過去3年間にわたり、ローラとジャン=クリストフは緊密に連携し、ブルガリというアイコニックなメゾンの価値向上を共に推進してきました。ローラの任命はブルガリに新たな章を開くものであり、彼女の多大な貢献と実績への賛辞でもあります。」
一方、25年以上にわたりタグ ホイヤー(TAG Heuer)およびブルガリで要職を歴任してきたババンについても、次のように言及している。
「ジャン=クリストフはタグ ホイヤーとブルガリの成功を形作り、それぞれの業界で独自の道を切り開いてきました。新たなミッションにおいても、その卓越したビジョンをもってLVMHおよび各メゾンを支え続けてくれると確信しています。」
ババンの在任中、ブルガリはハイジュエリーとウォッチメイキングの両分野で存在感を強化。特に時計部門では、「オクト フィニッシモ」コレクションを通じて技術革新と美学の融合を打ち出し、2024年には世界最薄の機械式時計として「オクト フィニッシモ ウルトラ COSC」を発表している。
また、ヴァレンツァに新設された生産拠点を中心に、製造から育成までを自国内で完結させる体制を確立。ブルガリは現在、単一ブランドとしては世界最大規模のジュエリー製造拠点を有するメゾンとなっている。
今回のCEO交代は、ブルガリが築いてきたローマン・ハイジュエラーとしてのアイデンティティを継承しつつ、次の成長フェーズへ進むための戦略的人事と位置づけられる。ブルデーゼのもとで、ブルガリがどのような進化を見せるのか注目される。
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